"あとがき"


 今年もサターン版シルバーガンの発売日という記念すべき日がやって来ました。思えば1998年に発売されてから18年目。自分でも未だに最初に好きになったときからシルバーガンへの思いが変わっていないことは驚きです。

 バスターとレアナは、もし「石」が現れずに平和な世界が続いていたら、レアナが言ったように一緒になれない可能性が大きかったかもしれません。「石」が現れたからこそ、一緒になれたのかもしれません。けれど、もし「石」が現れなくても、バスターが言ったように駆け落ちでもなんでもして、一緒になれたんじゃないかなとも思います。軍でも出世街道を歩いていることは間違いないはずのエリートのバスターですが、軍で上り詰めても傍らにレアナがいないのならば、あっさりと軍を辞めて駆け落ちしてでも、レアナと一緒に生きる道を選んだんじゃないかと思うのです。

 あと作中でバスターは自分はスラヴ系とイタリア系の血が流れていると言っていますが、『かけらの形』のあとがきではロシア系だと書いています。これは私の勉強不足で、完全にロシア系だと「〜ビッチ」というのは苗字ではなくロシア独特のミドルネーム的な位置づけの名前になるんですね。これが民族的にはロシア系と同じ分類に入る東欧のスラヴ系だと「〜ビッチ」というのは苗字となるのです。ですので、今回はバスターにはロシア系ではなくスラヴ系の混血だと言わせています。また、ピロシキはソ連時代に東欧に持ち込まれたので東欧でも食べられているそうです。

 また、レアナは以前にも同じことを愚痴ってしまったけどそのときもバスターが同じように慰めてくれたという話は『翼のうた』です。改めて読み返してみると内容的にかなりだぶっているのですが、あちらはバスターとレアナが一線を越える前、こちらは一線を越えた後の話で、レアナがバスターと一緒にいられる幸福を一線を越える前以上に知っているため、心の中で持っていた罪悪感も再び芽生え、しかもその大きさも増しているという相違点があります。

 最後まで読んでくださった方々、ありがとうございました。

(2016.7.23)


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