No.73…"デビルサバイバー オーバークロック"(2011.9.1(パッケージ版)/3DS/開発:アトラス/販売:インデックス)
No.73…"デビルサバイバー オーバークロック アトラスベストコレクション"(2015.12.3(パッケージ版・ダウンロード版)/3DS/販売:セガ)

 2009年1月15日にDSで発売された『女神異聞録デビルサバイバー』の完全版と言える作品。劇中7日間のシナリオはオリジナル版と一緒だが、主な変更点としては、仲魔やイベント悪魔戦の追加や悪魔全書の存在、それに会話のフルボイス化などが挙げられる。加えて、オリジナル版では一度クリアすれば全仲魔&マッカ持ち越しが出来たが、今作では同年7月28日に発売された『デビルサバイバー2』と同じく「サバイバーズ・アワード」制を採用しており、これによりプレイにより緊張感が加わった。そして3DSというハードを使用しているが、3D画面はOPと悪魔合体シーンのみで、むしろDSより進化した3DSのグラフィック機能を活用している。この点は無理に3D化を押し付けず、潔い選択だったと見ていいだろう。

 また、特筆すべき大きな変更点として、「8日目」の存在が挙げられるだろう。全5ルートのうち、ユズルート、アマネルート、カイドー・ナオヤルートの3本では、従来の7日間のシナリオ以降に、「8日目」のシナリオが追加されている。それぞれ、ユズルートの場合は「人間編」、アマネルートの場合は「救世主編」、カイドー・ナオヤルートの場合は「魔王編」もしくは「殺戮編」と名付けられたシナリオが8日目に展開することになる。

 この8日目の存在により、前述した3ルートはED後に受ける印象がガラリと変わった。救済されないシナリオだったユズルートが全く印象の違う希望ある結末となったり、救世主編では敵対関係となっていたナオヤがよりクローズアップされたり、特に魔王編は大団円ハッピーエンドとも言える結末となったのは大変な驚きだった。また、それぞれのシナリオでは、ケイスケとカイドー、ナオヤとアマネといった7日目までのシナリオ内では決して一緒には仲間にならないキャラクターが同時にパーティに加入したりするのも見所のひとつだろう。

 今から『デビルサバイバー』という作品をプレイされるなら、オリジナル版よりもこの『オーバークロック』から始めたほうがいいだろう。まさに完全版の名にふさわしい作品である。

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