No.53…"ダークロード"(1991.2.28/FC/開発・販売:データイースト)

 FC末期に出たために知名度は低いが、その秀逸な内容から「知る人ぞ知る」作品となったRPG。口コミで評判を知った再販希望者も多かったらしいが、結局再販はかけられなかったらしく、それゆえに販売部数も低かったようである。

 ゲーム内容は、「イースタール」という一つの街を拠点として、様々なクエストをクリアしていくことでストーリーが進行していくシステムを取っている。最近出たゲームで言えば、「一つの街を拠点としてクエストをクリアしていく」という点では、『世界樹の迷宮』がかなり近いかもしれない。ただし、『世界樹の迷宮』では、ほとんどのクエストの受注はプレイヤーの自由だし、メインはダンジョン攻略にあるのだが。

 クエストは地下倉庫の掃除から行方不明の恋人捜索まで様々であるが、それらを少しづつこなしていくことで、この世界に起きつつある異変が明らかになり、背後に隠されたストーリーが浮き彫りになってくる。こういう形でのストーリーの見せ方は、個人的にはかなり好きである。しかし、戦闘システムがどうにも洗練されておらず、苦行にすら感じてしまうこともある。他の部分は良く出来ているのに、このどうしようもない戦闘システムだけはどうしたものか、どうにかならなかったのかと首を傾げるばかりである。

 なお、SFCで後年、『ダークロウ』と言う名のRPGが出ているが、これが非常に『ダークロード』に似ており、『ダークロード』のリメイクと言ってもいいだろう。クエストをちゃんとクリアしていないとバッドEDとなる点や、戦闘システムが『ダークロード』とほとんど同じで全然面白くないところまでそっくりなのだから。

 やや苦言も呈しましたが、FCのRPGではある意味、伝説化している作品。何度も繰り返していますが戦闘システムがダメダメで、難易度も高いですが、もし機会があれば、プレイしても損はしないと思います。

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