No.15…"絶体絶命都市"(2002.4.25(廉価版:2004.9.16)/PS2/開発・販売:アイレムソフトウェアエンジニアリング)
No.15…"絶体絶命都市"(2015.2.18/PS2 ゲームアーカイブス/販売:グランゼーラ)

 『R-TYPE』シリーズや、あの『スペランカー』で有名なアイレムの手がけた「サバイバル・アクション・アドベンチャー」である。新規タイトルでありながらスマッシュヒットを飛ばし、2年後の2004年9月16日にはベスト版として廉価版も出ている。今から買うならこちらがオススメであろう。

 舞台は2005年6月の首都島。ここに新聞記者・須藤真幸が配属され、突如起こった大地震に見舞われるところから物語は始まる。その規模は乗っていた電車は横転し、須藤も丸一日気を失っていたほどであった。意識を取り戻した彼は、電車内で身動きが取れなくなっていた女子大生・相沢真理を助けたことを皮切りに、災害の真実を追うフリージャーナリスト・陣内晃二や、はぐれた弟を探す女子高生・比嘉夏海といった様々な登場人物と出会い、壊滅した首都島からの脱出を目標とし、そしてこの災害の裏に隠された陰謀に迫っていくことになる。

 操作はもちろんアクションだが、かなり早い段階で慣れてしまえるので、決して難しいものではない。しかし主人公・須藤は訓練を受けた軍人でもなければ、サバイバルの達人でもない。れっきとした一般人である。高所から転落すればケガを負うし、下手をすれば死んでしまう(この辺は『スペランカー』の影響か?)。だから足場の悪い場所ではそろそろとゆっくり歩かなければいけなかったりと慎重に行動しなければならない。また、喉が渇けば体力がどんどん減っていくので、水の補給も忘れてはいけない(幸い、飲み水は至る所で補充出来るので、喉が渇いて死ぬということはまずありえないのだが)。おそらく多くのプレイヤーが、初めての場所では何度も死を経験するだろう。だが難易度は決して高くない。コツさえ掴んでしまえば、ちゃんと先に進めるように設定されている。

 ただ、欠点も多少ある。例えばある種の部品を組み立てて作れる「濾過器」。これは泥水や海水を真水に変えるアイテムなのだが、水が得られるほとんどの場所で出てくるのは真水なので、あまり意味がない。また、序盤に手に入るビニール傘を分解して別のアイテムに変えることも出来るが、これもわざわざ解体してまで別のアイテムを作らなくても全く支障はない。この辺りのアイテムを上手く活用出来ていない部分は、練りこめばもっと面白くなっただろうに、やや残念である。

 なお、エンディングは7種類あるが、そのうち3種類は仲間を見殺しにして自分だけ助かるバッドED、残り4つがパートナー(相沢真理or比嘉夏海)と共に迎えるグッドEDである。グッドEDの分岐はパートナー選択とパートナーとの親密度によって分かれる。しかし、親密度が高いときに見られるエンディングは「グッド」と言って良いものかどうか……ここは意見が分かれるところかもしれない。私的には、ある意味「究極の愛」なのかもしれないと思っている。

 なお、2006年3月30日には、続編である『絶体絶命都市2 ―凍てついた記憶たち―』が発売された。難易度は『1』をプレイ済みのプレイヤーをメインターゲットにしているようで、『1』よりもやや高めである。『1』からは須藤や夏海らがゲストキャラ的に登場している。

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