No.24…"カエルの為に鐘は鳴る"(1992.9.14/GB/開発:任天堂、インテリジェントシステムズ/販売:任天堂)
No.24…"カエルの為に鐘は鳴る"(2000.3.1/GB(ニンテンドウパワー)/販売:任天堂)
No.24…"カエルの為に鐘は鳴る"(2012.9.5/3DS VC/販売:任天堂)

 まず初めに言っておきます。このゲーム、至る所がギャグだらけです。鉱山夫のグループ名が「カザンオールスターズ」だったり、「クロザ島」にある会社が「娯楽の殿堂ナンテンドウ」だったり、マッドサイエンティストな博士が開発したパワードスーツの名前が「東京コミックショーZ」だったりと、かなりしょうもないです。しかし、このしょうもなさが素晴らしく面白い、そんなゲームです。

 物語はサブレ王国の王子(主人公)と、その友好国であるカスタード王国のリチャード王子が剣術の試合をしている場面から始まります。二人は良き友であり良きライバルなのですが、そこへ大魔王デラーリン率いるゲロニアン軍団に、絶世の美女と名高いティラミス姫が治めるミルフィーユ王国が占領されてしまったという知らせが届きます。さあ大変!とばかりに、二人の王子はティラミス姫とミルフィーユ王国を助けに向かうのでした。

 主人公の王子はとある事情により、カエルとヘビに変身出来るようになります。カエルはジャンプ力がアップしますし、ヘビは細い場所を通れます。この変身技を駆使して、ダンジョン内を進んでいくのですが、これがパズル的でとても面白いです。戦闘システムも変わっていて、王子のレベルが上がるわけではなく、『ゼルダの伝説』のように、体力値や攻撃力や速さを上げていくことで、王子はパワーアップしていきます。画面上の敵と接触すると自動戦闘となるのですが、先に体力値がゼロになったほうが負けとなります(ボス戦は手動となりアクション要素が入ります)。ストーリーを進めたいのに勝てないザコ敵がジャマして進めない、そういうときは今まで通って来たルートを振り返れば、必ずどこかにステータスをアップさせるポイントがあるはずです。そういう点でもパズル的だと言えるかもしれません。

 謎解きも適切で、戦闘システムも小気味良く、ストーリーもバカバカしいけど決めるところは決めて面白い。こんなに良質なゲームなのに、セールスは振るわなかったそうです。非常に勿体無いことです。新品は今では手に入らないでしょうから、中古ショップで見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。マイナーであってもそこはやはり任天堂作品。損はしません。

 このゲームは最後まで明るくバカバカしく突っ走りますが、そのオチもかなりぶっ飛んでます。「これでいいのか?」なラストですが、幸せならばそれで良しです。なお、リチャード王子とその部下は『ゼルダの伝説 夢をみる島』にもゲスト出演しています。こういうコラボレーションは楽しくていいですね。

(追記)
 2012年9月5日以降は3DSバーチャルコンソールでお手軽に遊べるようになりました!

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