No.19…"ゼルダの伝説 夢をみる島"(1993.6.6/GB/開発・販売:任天堂)
No.19…"ゼルダの伝説 夢をみる島DX"(1998.12.12/GBC/開発・販売:任天堂)
No.19…"ゼルダの伝説 夢をみる島DX"(2000.3.1/GBC(ニンテンドウパワー)/販売:任天堂)
No.19…"ゼルダの伝説 夢をみる島DX"(2011.6.8/3DS VC/販売:任天堂)

 1986年にディスクシステムで発売されて以来、今なお続く人気シリーズのゲームボーイ版。『ゼルダの伝説』はディスクシステムの第1作から、主に『リンクの冒険』(ディスクシステム)、『神々のトライフォース』(SFC)、『時のオカリナ』(N64)、『ムジュラの仮面』(N64)、『風のタクト』(GC)……と、他多数出ていますが、実は私がクリア出来た『ゼルダ』は、今回紹介する『夢をみる島』だけなのです(汗)。情けない。

 しかし『夢をみる島』は『ゼルダ』初心者にこそオススメ出来るゲームではないかと個人的には思っています。なにせアクションが苦手な私でさえ、クリア出来たのですから。これは適切な難易度ももちろんですが、操作性にもユーザーフレンドリーな部分を感じるのです。操作ボタンが2つしかないにも関わらず、多数のアイテムを使うのに全く支障がなく、すいすいと進めてしまいます。この辺りのシステムはさすが任天堂、見事だなと思わざるを得ません。

 シナリオも多数ある『ゼルダ』シリーズの中でも、トップクラスのレベルを誇っています。ゲームを進めるうちにわかりますが、主人公(ここでは通例に従って「リンク」とします)が流れ着いた不思議な島は、ある重大な秘密を抱えています。リンクは島を出るためにあちこちを探索する旅に出るのですが……全てがわかるラストは泣けてきます。切ないの一言に尽きます。この切ないシナリオこそ、私がこのゲームが大好きな理由のひとつなのでしょう。

 シナリオ自体は深刻なのですが、登場キャラクターたちは皆、総じて明るく愉快な人々ばかりです。台詞回しも凝っていて、思わず笑ってしまう部分も多々見られます。また、他の任天堂ゲームからも、ワンワンやカービィをはじめとして、多数のキャラがゲスト出演しています。こういった明るいキャラクターと切ないシナリオが絶妙に絡み合って、『夢をみる島』の世界観を魅力あるものに形作っているのです。ちなみに私のお気に入りキャラは墓地でリンクにとりついて来るオバケ。自分が生きていた頃に住んでいた家に連れて行ってくれとリンクに懇願し、連れて行ってあげると「ここ……なつかしい」とたどたどしい口調でこぼします。不覚にも泣いてしまったイベントです。他にもシナリオ進行に沿って次々と所持アイテムを交換していく一連の「わらしべイベント」も面白いですよ。

 なお、『夢をみる島』はゲームボーイ用ソフトとして最初は発売されましたが、後にゲームボーイカラー版『夢をみる島DX』も発売されています。こちらはゲームボーイカラーの特性を活かした追加ダンジョンなどがありますので、今から買われる方はゲームボーイカラー版のほうがオススメです。数多いゲームボーイのソフトの中でもメジャーな作品ですし、興味を持たれた方はぜひ探してプレイしてみてください。それだけの魅力ある名作ですぞ?

(追記)
 2011年6月8日以降は3DSバーチャルコンソールでお手軽に遊べるようになりました!



社長が訊く『ゼルダの伝説 大地の汽笛』 携帯機ゼルダの歴史篇
(当時の開発中心スタッフが『夢をみる島』開発秘話を深く語っています:2009年11月19日公開)

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