No.116…"花と太陽と雨と"(2001.5.2(廉価版:2002.9.5 / 2005.1.13)/PS2/開発:グラスホッパー・マニファクチュア/販売:ビクターインタラクティブソフトウェア)
No.116…"花と太陽と雨と 終わらない楽園"(2008.3.6/DS/開発:ハ・ン・ド/監修:グラスホッパー・マニファクチュア/販売:マーベラスエンターテイメント)

 「探し屋」を生業とする男モンドスミオは、マイクロネシア連邦(ゲーム内に存在する架空の国家)に属する南海の孤島ロスパス島のホテルの支配人エド・マカリスターから「テロリストが島に隠した爆弾を探してほしい」と依頼を受けて島にやってくる。しかし、ロスパス島でスミオを待ち構えていたのは、不思議という言葉では言い足りないほど不可解な謎に満ちた日々だった。

 毎日、必ず飛び立ってすぐに爆破される飛行機。同じように毎日、必ず気を失ってしまうスミオ。やはり毎日、必ずスミオの夢に出てくるピンクのワニを連れた少女。そして毎日、スミオが空港へ向かおうとすると次々とスミオに探し物の依頼をしてくる奇妙な人物たち。毎日、少しづつ、隠された爆弾へと近づいていくスミオだが、その過程で島の秘密が次第に明らかになっていく。

 まず初めに言っておきますと、「ゲーム」としては駄作です。「ゲーム」をプレイする面白さをこの作品に求めてはいけません。この作品はあくまで「ロスパス島という奇妙な島でモンドスミオの身に起こった事件の追体験の記録」なのです。そういう点では同じグラスホッパー・マニファクチュア開発の『シルバー事件』とよく似ていますが、まだ少しは「アドベンチャーゲーム」としての体裁を保っていた『シルバー事件』以上にプレイヤーを突き放しています。そういう作品だと割り切って楽しめる方のみ、プレイされてみてください。

 類似する作品として『シルバー事件』の名前を挙げましたが、実はこの『花と太陽と雨と』は正真正銘、『シルバー事件』の続編です。『シルバー事件』をクリアしていれば、作品内の随所でニヤリと出来るでしょう。そもそも、モンドスミオの「スミオ」という名前からして『シルバー事件』との繋がりを示していますし、スミオの夢に出てくるピンクのワニを連れた少女ことクサビトリコも『シルバー事件』のあのメインキャラの娘ですし、最後の最後に現れる人物については『シルバー事件』をプレイしていなければ意味不明でしょう。最後に現れる人物に関しては『シルバー事件』を知っていればニヤリどころではなく、『花と太陽と雨と』という作品のすべてがこのラストのワンシーンのためにあったのだと言っても過言ではありません。

 そういう意味では『シルバー事件』をクリアされたファンの方々にはこの作品も是非プレイしてほしいものなのですが、前述したように作品そのものがまっとうな「ゲーム」であることを放棄しているので、素直に「オススメ!」と言えないのが心苦しいところでもあります。それでも私はこの作品が嫌いではありませんし、そもそも好きか嫌いかと言われたら好きだと答えてしまうので、このページでも紹介しているわけですが……面倒くさい作品を好きになってしまったものだと自分でも思いますよ。



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