No.106…"怪獣が出る金曜日"(2013.3.13/3DS DLソフト/開発:ミレニアムキッチン/販売:レベルファイブ)

 以前にこのページで紹介した『宇宙船ダムレイ号』は、レベルファイブより発売された「著名クリエイターによる複数のゲーム」というコンセプトの3DS用ゲームのシリーズで、そのシリーズの第2弾である『GUILD02』の中の一つとしてダウンロード専売で販売されたゲームだった。今回、紹介する『怪獣が出る金曜日』も、同じく『GUILD02』の中の一つとして同じくダウンロード販売された作品である。

 物語は今よりも30年ほど昔の東京郊外の町。地方から引っ越してきた主人公は、同じ市内にあるテレビ局が毎週、怪獣と戦う巨大ヒーロー番組を作って放送していることを知る。しかし不思議なのは、巨大な怪獣の足跡など怪獣がまるで現実に存在しているかのような痕跡が存在していることだった。「怪獣が出るのは本当のことなのに、なぜ脚本家がいるんだろう」という小さな疑問を主人公は抱き、新しく出来た友達と共にこの謎を解明しようとするが……というのが大まかなあらすじである。

 『ぼくのなつやすみ』シリーズで有名な綾部和氏が開発ディレクターであるだけに、どこか懐かしい町並みや生活感あふれるキャラ達の造形は見事である。しかもただノスタルジー溢れるADVであるだけでなく、終盤には度肝を抜かれる迫力ある展開も待っており、主人公の家族が密かに持つ秘密など、ストーリーの裏に隠された謎なども非常に楽しめる作りになっている。

 しかし、ゲームを進めるために主人公は新しく出会った友人などと怪獣カードでカードゲームをしなければならないのだが、このカードゲームが非常にテンポが悪く、プレイするたびにストレスを感じずにはいられなかった。この一点さえどうにかしてくれていたら間違いなく名作だっただけに、残念な限りである。



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