No.99…"宇宙船ダムレイ号"(2013.3.27/3DS DLソフト/開発・販売/レベルファイブ)

 GUILD SERIESはレベルファイブより発売されている「著名クリエイターによる複数のゲーム」というコンセプトの3DS用ゲームのシリーズで、第一作の『GUILD01』は複数のゲームをまとめて最初はパッケージ版で、後に各ゲーム単品でダウンロード販売され、第二作の『GUILD02』は最初から各ゲーム単品でのダウンロード販売のみとなった。今回紹介する『宇宙船ダムレイ号』はその『GUILD02』の一つであり、ゲームデザイナー・麻野一哉氏と小説家・我孫子武丸氏が関わった作品である。

 このゲームの最大の特色はチュートリアルもなければ取り扱い説明書さえないということである。内容は昔ながらのオーソドックスなSFアドベンチャーなのだが、プレイヤー=主人公は真っ暗闇のコールドスリープマシンの中で目覚める。自分が何者であるかという情報もなく、いわば記憶喪失の状態で、コールドスリープマシンの中で出来ることを文字通り手探りで探すことになる。

 自分が自由に動けないことを知ったプレイヤーは、代わりにロボットをコールドスリープマシンの中から遠隔操作することで船内を探索することになる。船内の探索でも具体的な説明は一切なく、要所要所に散りばめられたメッセージやヒントなどから推理して船内を探索していく。そして最終的にプレイヤーは自身が何者であるのかを知るのだが……一部のシーンを除いて音楽も全くないので、非常にストイックなゲームだと言えるだろう。

 絶賛する声もあれば『GUILD02』の中で一番の駄作という声もあり、非常に賛否の分かれるゲームなのであろう。私はラストも含めて気に入っているのだが、賛否が分かれるという点で人には容易くオススメしにくいゲームではある。また、前作『GUILD01』のパッケージ版のデータがあると、スペシャルシナリオ「アレックス」が解放されて読めるようになるが、このゲームの本編とは全く関係がないシナリオなので、パッケージ版『GUILD01』を無理して買うほどのものでもないことは断言しておく。



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