No.90…"ファイアーエムブレム 烈火の剣"(2003.4.25/GBA/開発:インテリジェントシステムズ/販売:任天堂)
No.90…"ファイアーエムブレム 烈火の剣"(2014.5.14/WiiU VC/販売:任天堂)

 前作『ファイアーエムブレム 封印の剣』に続いてGBAで出された携帯ハードでのファイアーエムブレムシリーズ第2弾。今作は『封印の剣』の20年前のエレブ大陸が舞台となっており、歴史の裏で存在した隠れた戦いが語られている。

 主人公はサカの民の血を引くキアラン公女リンディス(通称リン)、『封印の剣』の主人公・ロイの父親であるフェレ公子エリウッド、『封印の剣』のヒロイン・リリーナの父親でありエリウッドの親友でもあるオスティア公子ヘクトルら3人である。第1部であるリン編は実質的なチュートリアル編であり、今作からファイアーエムブレムに接したプレイヤーにもこのゲームの戦闘システムが分かるように非常に親切丁寧に作られている。第2部であるエリウッド編もしくはヘクトル編が今作のメインシナリオとなっており、前作同様に手強いながらも適切な難易度の本編を楽しめる。なお、ヘクトル編はエリウッド編をクリアするとプレイ出来るようになる変則的な仕様となっている。

 今作は歴史の表舞台では語られなかった戦いの物語ではあるとはいえ、前作と同様にオーソドックスでそれ故にすんなり入り込める物語であると言える。前述したように前作主人公らの親世代が主役であるので、前作『封印の剣』をプレイ済みだと更に感情移入しやすいだろう。特に前作でも大きく語られたベルン国王ゼフィールの少年時代は、彼の未来を知っているとより悲しいものがある。

 前作では特定のユニットの成長度合で途中のシナリオが分岐したが、今作でも特殊な条件を揃えないと見られないイベントや、特定の条件を満たした上でのみ仲間になるユニットなどが存在する。特にヘクトル編で特殊な条件を満たした際に見られるあるイベントでは、今作のメインヒロインと言えるマムクートの踊り子ニニアンと彼女の弟のニルス、そして今作の黒幕との意外な関係が明かされるので、苦労してでも見る甲斐があるだろう。

 現在では『封印の剣』と同様にWiiUのバーチャルコンソールでもプレイ出来る本作。是非、直接に物語が繋がっている『封印の剣』と通してプレイしてもらいたい良作である。



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