No.103…"GIRLS MODE 3 キラキラ☆コーデ" (2015.4.16(パッケージ版・ダウンロード版)/3DS/開発:任天堂、シンソフィア/販売:任天堂)

 「ファッション」をテーマに、プレイヤーがセレクトショップ店長となって街を「おしゃれ」に染めていく優れた名作だった『わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言!』。その続編がこの『GIRLS MODE 3』だが、今作ではプレイヤーはセレクトショップ店長であるだけでなく、様々な職業を同時に掛け持つことが出来る仕様となっている。

 具体的には「セレクトショップ店長」「美容師」「メイクアップアーティスト」「モデル」「デザイナー」の五つの職業を兼任することが出来る。一つの職業にメインに打ち込むもよし、五つの職業を全て気の向くままにこなすもよし、自由度が高いため、プレイヤーは好きな職業に好きな時に打ち込めるようになっている。

 個人的には「セレクトショップ店長」以外では「美容師」と「デザイナー」が特に面白いと思えた。「美容師」はヘアサロンで仕事をこなしていくとセット出来る髪型が増えていき、「デザイナー」は使えるモチーフやデザインが色々な場所へ行った際に閃いたりして、複雑な服を作るようになれるようになっている。ただし、前作よりもポリゴンモデルが荒く作られているので、髪の色を変えるときには色の組み合わせに注意である。ヘアサロンのお客は注文に沿った色なら似合っていなくても文句は言わないが、髪のグラデーションは前作ほどは美しくはならなくなってしまっている。そのため、プレイヤーキャラの髪の色を美しく見せたいならば、下手に二色のグラデーションにこだわらないほうがいい場合もある。

 ただし、今作ではメイクや髪の色に使える色のバリエーションを増やすには、新しいカラーが存在している様々な場所で写真を撮って公園にいるアカリに見せる必要がある。しかも期間限定の色は、その期間での撮影を取りこぼすと来年まで待たなければならない羽目になるので、この仕様はやめてほしかった。おそらくは中古対策なのだろうが、前作では最初から使える色が豊富にあったためメイクも様々に出来たのに、残念ながら前作よりダウングレードした箇所であろう。

 また、前作では店のショーウィンドウにマネキンを飾っている場合、そのマネキンを見ている客には100%買ってもらえたが、今作では冷やかしの客が多く、これが非常にストレスだった。店に来る客にしても、前作以上に自分勝手な客が増えた印象がするので、こういった箇所も残念な点である。五つの職業があるとはいえ、メインの職業はやはり「セレクトショップ店長」であるのに。

 「モデル」はプレイヤー自身がファッションモデルとなってファッションショーに出場するのだが、ここで高判定を取るのは比較的易しかった前作よりも難しくなっている。例えば「ガーリー」がお題な際には、「ロリータ」ブランドの中から「ガーリー」なイメージの服を選ぶといった手の込んだことをしないと高得点は狙えない。また、前作ではファッションショーで出てきてまだ買っていない服はショーを見ながらその場で買えたが、今作では自分自身がモデルとなっているため、そういった操作も出来なくなっている。個人的にはもっとも楽しくない職業だった。

 そして今回は五つの職業の他に、ミニチュアの部屋を作って他のプレイヤーとすれ違い通信で見せ合ったり、ゲーム内でNPCに有料で貸し出すことが出来る。部屋を飾るミニチュアはチサトの店で売っており、ここで豊富なミニチュアを買うことが出来るようになっている。しかし、ミニチュアよりも前作のようにプレイヤー自身の部屋をコーディネートしたかったというのが個人的な本音である。

 ネガティブな意見が多くなってしまったが、遊んでいて面白くないのかと言われたら決してそんなことはないゲームである。しかし、前作の完成度が高かったことと、今作では体験出来る職業を手広く広げたことでどの職業も中途半端になってしまった印象があるため、発売前の期待度は少々裏切られた感がある。だが、女性向けゲームとしてはよく出来ているし、次回作では前作のような完成度を取り戻してほしいものである。



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