No.80…"わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言!" (2012.9.27(パッケージ版・ダウンロード版)/3DS/開発:任天堂、シンソフィア/販売:任天堂)
No.80…"わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言! トキメキUP!"
(2014.4.17(パッケージ版・ダウンロード版)(前バージョンは2014.3.26から無料でバージョンアップ開始)/3DS/開発:任天堂、シンソフィア/販売:任天堂)

 ある街で偶然にセレクトショップ「Lucina」の店長ミキと出会ったプレイヤーの分身たる主人公。バイトとして雇われたことをきっかけとして、やがて主人公のファッションセンスを見込んだミキによって主人公は「Lucina」の店長に大抜擢される。こうして主人公は自身のファッションセンスを駆使して、セレクトショップを経営することになるのであった。

 公式ジャンルに「よくばりファッション」と明記されているように、このゲームは端的に言ってしまえば店を訪れる客の注文に応じての一種の着せ替えを楽しむゲームであるのだが、その着せ替え要素を楽しむための工夫がしっかりしており、プレイヤーが詳しくないジャンルのファッションコーデであっても簡単に知ることが出来るようになっている。例えば「ポップで明るい感じのコーデで」と注文された場合、そのポップなコーデを専門に扱っているブランドやイメージジャンルなどを検索する機能がしっかりしているので、その検索結果から客が提示した予算も含めた注文に迷わず応じることが出来る。客の指定したコーデがどういったものなのかを考える手間を極力省いている分、着せ替えという要素を存分に楽しむことが出来るのである。基本的にはこの行為の繰り返しであるのでゲーム性としては非常にシンプルなのだが、そのシンプルさ故にハマってしまうとも言える。

 また、単純な着せ替え要素だけではなく、ゲームである以上、ちょっとした攻略要素もやはり存在している。客は最初の頃は「ガーリーで」「フェミニンで」などと希望するコーデを具体的に言ってくるが、常連になってくると「いま着ているインナーに合わせてコーデしてほしい」などと指定が曖昧になってくる。ここがプレイヤーの腕の見せ所でもあるのだが、そういった曖昧な注文を受ける頃にはその指定された服がどういったジャンルの物なのか自然に分かるようになっているので、「このインナーはエスニックな感じだからエスニックでコーデしよう」などと推理して注文に応じられるようになる。こういったようにプレイヤーが自然とファッションコーデを覚えられるよう段階を踏んで作られているのは見事としか言いようがない親切設計である。

 こうして客の提示したコーデを満たして客がそのコーデに満足したり、客との会話で発生するイベントをこなしていくと、「ハッピーポイント」というポイントが貯まっていく。このポイントがマックスになるたびに街がファッションに特化してどんどん発展していき、ヘアスタイリストやメイクアップアーティストといった人材が集まり、ファッションコンテストも行われるようになる。このコンテストで優勝すると様々な限定アイテムが手に入るほか、優勝の噂を聞いて店に訪れる客層も新たに増えてくる。いわばこのゲームは、ファッションによって人を幸福にしていく作品なのだ。

 ライトな女性向けゲームと見せかけて、ファッションアイテムの種類は約12000点も用意されているし、中身は実にしっかりとがっちり作られている今作品。聞けば男性プレイヤーにもファンが多いそうだが、それも納得の内容と言える。興味を持たれた方は是非手にとってプレイして頂きたい傑作である。

 なお、2014年4月17日から発売された『わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言! トキメキUP!』は続編という訳ではなく、2012年9月7日に発売された従来の通常版に5つの新モードが加わったバージョンアップ版である。今から買うのならバージョンアップ版を買ったほうがいいかもしれないが、通常版もイーショップを経由することでバージョンアップが可能である。この辺りのプレイヤーを大事にする姿勢はさすが任天堂と思わざるを得ないポイントである。



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社長が訊く『わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言!』

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