かの名作『伝説のオウガバトル』とほぼ同時期に出たためにさほど目立たなかったが、内容は実に良質で初心者対策もしっかりしたS・RPGである。
かつてグローバスと呼ばれた世界を舞台に、ゴート王国に住む少年剣士アルバート、王国の宮廷魔術師の少女ソフィア、アルバートの幼馴染である僧侶ノイマン、ソフィアの育ての親である騎士スレイ、義賊ダッシュ、若きエルフの精霊使いの女性マージン、屈強なドワーフの戦士ガリオク。これらのキャラの中から、主人公のアルバート以外の3名を選んでパーティを組み、ゲームを進めていくことになる。
街の外のフィールドマップがそのまま方形ヘックスになっているという斬新なシステムを採用しており、街から街へと移動する際は、当然そのヘックスに従ってユニットを進めていくことになる。また、同一ターン内ならば、コマンドに記されたすべての行動が可能であるという点も新鮮であった。つまり戦闘コマンドで敵に攻撃をした後、薬草で体力を回復するといった一連の行動を1回のターン内で行えるのである。このため、難易度も優しく、S・RPG初心者にもオススメ出来る一本になっている。ただし、これは敵も同様なため、気を抜くのは禁物である。
ストーリー自体はよくある話だが、ラストがあまりにも衝撃的だった。なんと「突如現れた魔物の大群にノイマンは殺され、ソフィアは魔力を暴走させて昏睡状態になってしまう」のである。そのため、続編である『2』が出たときには、一体どうやって収集をつけるのかと興味津々だったが、戦闘バランスのあまりの悪さに序盤で投げてしまった。『FEDA』シリーズといい、S・RPGは前作が面白かったから今回も面白いとは言えない作品が多い気がする。
なお、サンソフトのマスコット的キャラである『へべれけ』のメンバー、へべ、おーちゃん、すけざえもん、じぇにふぁーたちがこっそりゲスト出演している。こういった自社ソフトとのコラボレーションも面白い部分である。
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