No.31…"デッドゾーン"(1986.11.20/FCディスクシステム/開発 ・販売:サンソフト)

 オーソドックスな迷宮脱出型アドベンチャー。主人公・カークは、彼の婚約者でありコンピュータエンジニアであるマリーを訪ねて、彼女が派遣されているスペースコロニーへと出向く。しかし、コロニーに辿り着いた直後、カークの意識は遠のき、気付くとそこはジャンクシュートの中だった。しかも、カークがマリーに贈ったロボット・キャリーまでもがそこにいた。一体、マリーの身に何が起こったのか……カークはキャリーと共に知恵を振り絞り、マリーを見つけ、そして脱出する方法を考えて、コロニーの中枢部へと進んでいく……。

 「俺はなぜ、ここにいるんだ!?」「キャリーどえ〜す」「カーク!」「マリー!」といった電子合成音があちらこちらで喋る、当時としては画期的なゲームだった。謎解きはやや難易度が高いが、スタンダードなものであり、よく考えればつまづくところはないだろう(とはいえ、最初のジャンクシュートからの脱出が個人的には最も難易度の高いトラップでした(汗))。

 話自体はよくあるSFものだが、ラストでその評価は素晴らしく高くなる。「心」を持ったものの暴挙と、それと対比するような「心」を持たぬはずのものが見せる自己犠牲。身を投げ打ってカークたちを救った彼にも、魂は存在していたのだと信じたい。

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