[二人の愛はどこまでも深く純粋で永遠に]



 バスターの個室の寝台には、今夜も生まれたままの姿で愛し合うバスターとレアナの姿があった。燃え盛る炎のような情熱のままに、二人は何度となくひとつに結ばれて愛し合うことにひたすら夢中になっていた。

 寝台の上に両膝を曲げて立ち、前屈みになって両手をついて四つん這いになったレアナは、愛しいバスターとひとつになって後ろから攻められて愛されているまさに真っ最中だった。バスターに愛されるレアナの甘くあえぐ声が途切れることなく室内に響く中、レアナが後ろからバスターに攻められて愛されているとは言っても、今宵はいつもとは大きく違い、バスターはレアナの腰を固定するようにつかんでおらず、レアナと繋がったまま上半身をレアナの背中に沿うように曲げていた。レアナはその華奢で小柄な体を、たくましく背も高いバスターの体で背後から覆われているような状態だった。そのままの姿勢でバスターは密着したレアナの裸の体を背中から抱きしめ、彼女の豊満な乳房をわしづかみにして揉みしだきながら、彼自身の腰を盛んに動かしてレアナを深く激しく愛し続けていた。
 あらわな乳房をつかまれ荒々しく揉まれて愛撫されるのと同時に、その裸の体の芯を後ろから絶え間なく奥深くまで攻められて、レアナはめくるめく快楽の渦の中で溺れていた。バスターがレアナの体の中に勢いをつけて深く攻め込んでくるたびに、レアナの両手と両足はガクガクと震えたが、愛しいバスターに愛される喜びと快楽とが支えになって、レアナは必死に体の力を出しきって倒れるまいとこらえていた。しかし、レアナの意識は既に朦朧となっており、甘い声であえぎながら、ただ愛しいバスターの名前だけを呼んでいた。
「ああ……ん……! バスター……! バスター……!」
「レアナ……! お前のすべてが……俺にはいとおしすぎる……!」
 バスターは手のひらでつかんだレアナの柔らかで弾力に富んだ乳房を揉みしだくだけでは飽きたらず、愛くるしい乳首を指でつまんでもてあそんだり、レアナの細い首やなめらかな背中を舌先で舐めてなぞったりもしながらも、自身の腰をせわしなく動かしてレアナの体を攻め抜くことは片時も忘れなかった。快楽の渦の中にバスターとレアナは身も心も絡み合ったまま沈んでいき、その果てに二人の意識が絶頂に達した瞬間、レアナの体の中でバスターの熱い白濁した精がたっぷりと勢いよくほとばしった。
「レアナ! う! くうう! レアナ……!」
「あん! ああん! バスター! バスター……!」
 レアナがその体の奥底でもれなく受け止めたバスターの熱く濃厚な精はその量もさることながら、いつも以上にとてつもなく刺激的で、レアナの体を襲った強烈な興奮は彼女の頭からつまさきまでを一気に駆け抜けた。それは途方もない歓喜と快楽に満ちており、レアナへの愛が凝縮されたあふれんばかりの熱い精と一緒にそれらの歓喜と快楽とを彼女の体にもたらしてくれた愛するバスターの名前を、レアナはひたすらに甘い声で呼んでいた。
「バスター……。あん……バスター……」
 体をくまなく襲った興奮が過ぎ去った直後、レアナは彼女の体を後ろから抱えこんだままのバスターと共に崩れるように寝台に倒れこんだ。レアナは気を失う寸前で、寝台に身を横たえたまま、荒く大きな呼吸を繰り返すことしか出来なかった。
 そんなレアナを後ろから抱きしめたままのバスターもまた、レアナ同様にこれ以上ないほどの快楽を味わっており、彼自身も荒い呼吸を続けながら、レアナの耳元で彼女への愛をささやいた。
「レアナ……俺の可愛いレアナ……。いまのは格別に……最高だったぜ……。お前のすべてを愛している……レアナ……」
 バスターの愛の言葉はレアナの心に瞬く間に沁み渡り、息も絶え絶えな中で気力を振り絞って、レアナもバスターへの愛をこめた言葉を返した。
「バスター……あたしもバスターにこんなにもいっぱい愛されて……このまま、どうにかなったっていいって……思ったよ……。バスター……あたしのバスター……」
 そうつぶやいたのを最後に、バスターにその裸の体を抱きしめられたまま、レアナの意識は現実からフェードアウトしていった。

 意識を取り戻したレアナが最初に感じたのは、バスターのいとおしい心臓の鼓動と彼の体温だった。レアナは裸のまま、同じく裸のままのバスターの膝の上で抱きかかえられていた。バスターは寝台の上でヘッドボードに背中を預けてあぐらをかいて座りこんでおり、意識が戻ったレアナの青い瞳を紫色の瞳で優しく覗きこんだ。
「レアナ……やっと目が覚めたか……」
 レアナにかけられたバスターのその言葉には、レアナへの限りない愛と同時に、レアナをどうしようもないほどに愛するがあまり、彼女を激しく愛しすぎてしまったバスターの自省の念がこめられていた。レアナにもそんなバスターの想いは充分に伝わっており、レアナはバスターをいたわるように微笑みかけた。
「あたしはだいじょうぶだよ……。バスターにあんなに愛してもらえて……あたし、すごくうれしい……。ありがとう……バスター……」
 自身の暴走する愛と欲望のままにレアナを抱き、その末に彼女の意識まで奪ったというのに、それでもなお、彼を愛して気遣ってくれるレアナの優しさに、バスターの中にはレアナをこのうえなくいとおしいと想う感情がとめどなく沸き上がった。
「レアナ……お前は俺にとって、ただひとりの大切な愛する妻であるだけでなく……それ以上に尊い存在だ……」
 バスターに強く抱きしめられながら、レアナもバスターの裸の胸に頭を寄せて片手を彼の胸にぴったりとくっつけた。直接、バスターの肌と重なった手のひらを通じて、バスターの心臓の鼓動が先刻以上にはっきりとレアナの中に伝わってきた。
「バスター……あたしだけのバスター……。あたしにとってもバスターはたったひとりの夫で……この世界でいちばん大切な……愛しい人だよ……」
「レアナ……!」
 愛するレアナの言葉に感激したバスターは、よりいっそう彼女の体を抱く腕に力をこめると、腕の中のレアナに顔を近づけて唇を重ねた。そうやって二人が時の過ぎゆくままに深いくちづけを交わした後、レアナは心から嬉しそうに微笑んだ。
「ね、バスター……。あたし、またお姫さまみたいにバスターに抱っこしてもらえているんだね……。バスター……あたしだけの王子さま……」
「ハハッ、そうだな。愛しい俺のレアナ姫……」
「バスター王子さま……。あたしたちはハッピーエンドで終わったおとぎばなしの……王子さまと王女さまなんでしょう?」
 レアナの無邪気な問いかけに、バスターも微笑んで返答した。
「ああ……そうだとも。王子様と王女様はいつまでも末永く幸せに暮らしましたって終わり方のな……。俺もお前をいつまでも愛し続けるぜ、愛する俺のレアナ……」
「ふふふっ……バスターったら……。でも、あたしもバスターのことを……いつまでも愛してるから……。だから、あたしのことを……離さないで……」
「もちろんだ……。誰がお前を……離すものか……。何よりもいとおしい俺だけのレアナ……」
 バスターはレアナを抱きしめながら彼女の手を握り、レアナもバスターに握られた手を握り返して、二人は指の一本一本までも絡めて手を握り合った。
「バスター……。いま以上にもっと、あたしのことを愛して……。あたしの体にも心にも……バスターの愛をうんとたくさん、きざみつけて……。あたしを愛してくれるバスターの愛が……あたしの中から永遠に消えないように……」
「レアナ……俺もだ……。お前が俺に向けてくれる愛を、俺もこの体と心に永遠に刻みつけたい……」
「バスター……あたしだけの愛しいバスター……」
「レアナ……俺だけの愛するレアナ……」
 永遠の愛をお互いの体だけでなく心にも刻みつけることを誓い合ったバスターとレアナは強く抱き合って再び唇を深く重ね、直に触れ合った肌を通して、熱く深い消えることのない愛を全身で感じていた。生まれたままの姿でどこまでも深く純粋に愛し合う二人の姿を、部屋の中をほのかに照らす明かりだけが静かに見守っていた。



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