[ふたりだけの神話の夜]



 TETRA内のバスターの個室の隅の寝台の上では、生まれたままのあらわな姿のバスターとレアナが、今夜も熱く激しく愛を紡いでいた。部屋の中にはバスターに愛されるレアナの甘い声が、絶えることなく響いていた。

 足を開いて座りこんだバスターの両足のあいだにレアナが密着するように入りこんで膝を曲げて立ち、そんな愛しいレアナをバスターは片方の手で抱きしめて、彼女の両の豊満な乳房のあいだに顔をうずめていた。バスターはまったく恐悦至極であたかも酒に酔ったかのような満足げな表情を浮かべながら、もう片方の手でレアナの形の良い乳房をつかんでその柔らかな弾力を味わったり、ツンと硬くなった愛くるしい乳首を指先でもてあそんだりして、愛する彼女の美しく魅惑に満ちた体を堪能していた。まさにあまりにも美しすぎるレアナの体にバスターは溺れきっており、完全に彼女の虜になっていると言ってもよかった。
 そんな様子で裸のレアナの体を丹念に愛撫して、時にはもてあそびつつも、彼女の体だけでなく心をも愛し尽くそうとするバスターだったが、そのきらめくような美しい裸の体を余すところなく愛しいバスターに愛撫される快楽に身をよじらせながらも、レアナはバスターの赤毛の頭を両手で抱えこみ、彼のあざやかな赤い髪の毛をくしゃくしゃに乱してつかんで、ひときわ甘く高い声を漏らしていた。

「あん……! ああん……! バスター……! あたしの大切な……愛しい人……!」
「レアナ……。お前の体は本当に……なにもかもがどこまで美しいんだ……。愛する俺のレアナ……」

 バスターがレアナの裸の体の胸からわき腹にかけての流れるようなラインを両手でつかんで、上から下へ、下から上へと手のひらで何度もなぞるように愛撫すると、彼に愛されるがままのレアナは、いままさに彼女自身の裸の体への濃密な愛撫を通して愛しあうさなかであるバスターの愛しいレアナへの愛にあふれた愛撫が彼女の体にもたらすあまりの快楽から、思わず背中を反らせて、うっとりとした表情で天を仰いで一段と甘い声を漏らしてあえいでいた。

「バスター……! だめ……もう……。あたし……ああ……ん!」
「レアナ……。こんなにも美しくていとおしいお前を、いまこの瞬間も思うがままに愛せるなんて……俺は頭がどうにかなりそうだぜ……」

 レアナの白く細い輝くばかりに美しい裸の体をひたむきに愛撫することで彼女を愛するバスターもまた、余分なぜい肉など欠片もなく引き締まって鍛えられた裸の肉体を惜しげもなくさらしていた。一糸まとわぬ裸の二人がそうやって愛しあう様は、まるで英雄と女神がやはり裸のままで愛しあう神話や伝説の一シーンのように優美で妖艶であった。

「ああ……ん……! バスター……!」
「レアナ……。俺がいまこうして愛しているお前は……本当は人間じゃなく、妖精なのか……それとも天使なのか……。たとえようがないほど美しすぎるお前をこうやって抱ける俺は……俺は……」

 長い時間をかけてその目もくらむような美しい裸の体をくまなくバスターに愛撫し尽くされたレアナは体の力をすっかり失い、とうとう寝台に崩れ落ちた。そんなレアナをバスターは優しく抱きしめ、彼女のつややかな髪の毛やなめらかな背中をいとおしそうに撫でていた。

「レアナ……。俺だけの愛しいレアナ……。お前の美しさには妖精も天使も敵うまい……。俺は……最上の美の化身を……毎晩、抱いていたんだな……」
「バスター……。あたしがもしも人間じゃなくて……妖精か天使かであったとしても……あたしはほかの誰でもないバスターだけの……妻だよ。愛する夫に喜んで抱かれるのは……当然のことじゃない……」
「レアナ……! お前はなんて嬉しいことを言ってくれるんだ……」
「あたしもすごくうれしいよ……。バスター……大好き……」

 レアナはそう言って身を起こすと、バスターにすがりついて彼の唇に自らの唇を重ねた。二人がそのままとろけるようなくちづけを交わしたあと、レアナはバスターの裸の胸に片手をあてて、彼のがっしりとした広い胸を構成する筋肉をそっとなぞりながら、愛する彼に甘えるように懇願した。

「バスター……あたしのこと、もっと愛して……。あたし、もっともっとバスターに愛されたい……。バスターの愛が……もっとほしいの……」
「レアナ……」
「あたし、本当はねむることさえ惜しいの……。一晩中だって、バスターと愛しあっていたい……。それくらい……バスターのことが大好きなの……。バスター……おねがい……。あたしのこと、うんとたくさん……バスターの好きなように……愛して……」
「レアナ……! 愛している……! この世界の何よりも……!」

 バスターはレアナの華奢な裸の体を強く抱きしめると、そのまま二人一緒に倒れこみ、深夜になって日付が変わってもなお、愛しいレアナと愛しあい続けた。熱く深く、そして激しく、幾度となくひとつに結ばれて愛しあうバスターとレアナの姿は甘美で官能にあふれていた。

「バスター……! もっと……来て……! ああん! バスター!」
「レアナ……! ああ……! レアナ!」

 可憐でまばゆいばかりに美しいだけでなく純真無垢であどけないレアナをバスターは心の底から愛しており、同じように、たくましく鋼のごとく鍛えられた肉体の持ち主であり表向きはひねくれていても根底では人としての優しさを忘れていないバスターをレアナもどこまでも愛していた。

 身も心もひとつになって愛しあうバスターとレアナの愛は、燃えさかる炎のように触れることも出来ないほどに熱く、透明で混じりけが一切ない水晶のように純粋であった。人類が終わるかもしれない世界であっても、その片隅で一途に愛しあう二人の愛は、永遠の愛の神話そのものだった。



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