[昼下がりに愛を重ねて ―夜はさらに深く愛し合って―]



 夜も更けて深夜となったTETRAのバスターの部屋の寝台には、バスターとレアナが裸のままで寄り添うように横たわっていた。乱れたシーツの上で二人の表情は共に喜びと幸福に満ちており、二人が今夜も心ゆくまで愛し合った事実を明確に物語っていた。

 レアナはバスターの体に静かに身を寄せていたが、不意に彼の首に腕を回して顔を近づけると、そっとバスターの唇に自分の唇を重ねた。そして、バスターを誘惑するような魅了的な笑みを浮かべると、愛しい彼に甘えるように懇願した。
「ね、バスター……。あたしのこと……また、妻って呼んで……」
 まだどこか18歳という年齢にそぐわないあどけなさを残しているにも関わらず、その幼げな精神年齢に反して女性として成熟した体の色香でもって無自覚に自分を誘惑してくるレアナのその様に、バスターは理性を失ってふらっとなりかけた。だが、なんとか平静をよそおってレアナの体を抱きしめると、バスターは笑って答えた。
「お前は甘えん坊だな……。でも、いいさ……。レアナ……愛する俺の妻……。お前を妻として愛せるなんて……夢みたいだぜ」
 バスターがレアナの裸の背中を撫でながら心からの想いをこめてそうささやくと、背中を軽く愛撫されたこと以上に、愛するバスターに愛情をこめられて「妻」と呼ばれたことに対して、レアナはたまらずに甘い声を漏らしていた。まさに言葉でもって、レアナはその身も心もバスターに熱く愛撫されていた。
「ああ……ん……。バスター……あたしの愛しい人……。あたしも……夢みたいだよ……。でも……夢じゃないんだよね……。なんて、うれしいことなの……。もっとそう呼んで……バスター……」
 バスターも愛するレアナが官能に満ちた声を漏らしながらも純粋に喜ぶ姿に、自分の心も体も熱く燃えあがるのを感じていた。実際、彼の下腹部の己自身も正直なまでに反応して猛って怒張し始めていた。レアナをよりいっそう抱き寄せて真正面から顔を近づけ、右の手のひらでレアナの豊満で柔らかな弾力のある乳房をつかんでもてあそぶようにさわりながら、バスターはまた、妖しささえ秘めてささやいた。
「もちろんだとも……レアナ……俺の妻……。俺は夫として……ただ一人の妻のお前を……誰よりも愛している……。いとおしい妻のお前を……」
 バスターがレアナの裸の体を愛撫しながら、妻という言葉をいとおしげに口にするたびに、レアナは身も心も大きな快楽に襲われていた。バスターをこのうえなく愛するレアナにとって、彼女の裸の体を愛撫しつつバスターの口からレアナへの愛と共にこぼれ落ちる彼の妻であるという言葉は、彼女の体にも心にもそれだけの快楽をもたらす魔力にも似た魅力にあふれた言葉であった。レアナの意識はとろけるようにうっとりとなり、レアナは無我夢中になって愛する夫であるバスターのたくましい裸の体にすがりついていた。
「ああ……ああん……! あたしの体も心も……なにもかもがしびれちゃったみたい……。バスター……あたし、もうどうにかなりそう……」
「お前はなんて可愛いんだ……レアナ……。もっとどうにかなっても……俺がここにいるから……大丈夫だぜ? 俺の妻のお前を……愛しているんだからな」
 レアナの耳元でバスターが魅惑的にそうささやいて彼女の首をなぞるように舌でなめると、首への文字通りなめ尽くすような愛撫に加えてその言葉が決定打となり、レアナの意識は完全に快楽に乗っ取られて真っ白になっていた。バスターに愛の言葉でもって愛し尽くされて絶頂に襲われたも同然だった。レアナはバスターにすがりついたまま、なまめかしく身をよじり、あられもなく嬌声をあげた。
「あ……ああ……ああん! バスター……!」
 バスターに抱きついたままでぐったりとなったレアナを、バスターは優しく抱きしめ、彼女の柔らかな髪の毛を愛しげに撫でていた。
「レアナ……。たったこれだけのことでこんなになっちまうなんて……本当にお前はなんて可愛いんだ……。俺も嬉しくなっちまうよ……」
 バスターはそうつぶやくと、レアナと唇を重ねた。深いくちづけを交わしながら、バスターはそのまま指先をレアナの秘部へと伸ばしていた。レアナの蜜口がいつの間にかあふれ出した蜜でじゅうぶんに濡れそぼっていることを確認すると、バスターはすかさずレアナの華奢な体を組み敷いて、既に焼けた鉄のように猛りきっていた己自身でもって、レアナの中に半ば強引に攻め入った。突然、バスターにその体の深部を攻められたレアナは、驚きながらも愛しい彼に攻められ愛される快楽にたちまち身も心も支配され、ひときわ甘く高い声をあげた。
「ああん! バスター……!」
「レアナ……! 俺は言葉だけでなく、この体でも……もっとお前を愛したいんだ……!」
 バスターは絶えることなくレアナを激しく攻めて愛し、レアナはほとんど間を置かずして、再びバスターに愛されることで絶頂に襲われようとしていた。
「バスター……! バスター……! あん! ああ……ん! バスター!」
「レアナ……! くう! レアナ!」
 バスターにその体を奥底まで攻められて愛し尽くされたレアナが絶頂に襲われた瞬間、バスターも絶頂に達して、熱く濃厚な精をレアナの中にほとばしらせた。愛するバスターの熱い刺激的な精を残らずその身で受け止めたレアナは、今度こそ本当に何も考えられなくなり、体の力も抜けきって、寝台の上で仰向けになったまま倒れ込んでいた。
「バスター……あたしの……」
 そうつぶやいたのを最後に、レアナの意識は急速に遠のいていった。

 レアナが目を覚ますと、意識を失う前と同様に裸のままで、同じく裸のバスターに横たわったまま抱かれていた。レアナと目が合ったバスターは、優しく微笑んで紫色の瞳でレアナの青い瞳を見つめた。
「レアナ……やっと気がついたか……」
「バスター……。あたし、また……気を失ってたの?」
「そうさ……。俺はまた……すっかり我を忘れて、お前を愛しすぎちまったな……」
 バスターがすまなそうにそう答えると、レアナは明るく微笑んで首を横に振った。
「ううん……。こんなにもバスターに愛してもらえたんだもの……。あたしはなんて幸せなんだろうって……心の底から、そう思えるよ……」
「レアナ……」
「バスター……たくさん愛してくれて……ありがとう……。あたしもバスターのことを……どうしようもないくらい愛しているから……。バスター……あたしのたった一人の……愛しい人……」
「レアナ……!」
 レアナのあまりにも素直な言葉に感激したバスターはいとおしむように彼女を抱きしめると、レアナの顔のすぐそばまで顔を近づけた。
「レアナ……俺もお前を誰よりも愛している……。俺だけのレアナ……。俺だけの……愛する妻……」
 バスターの言葉をレアナは微笑んで聞いていたが、彼の最後の言葉に、レアナはまたもうっとりとした表情を浮かべて、甘い声を漏らした。
「あ……ん……。バスター……また、そう呼んでくれるの……」
「当たり前だろう……。俺とお前はこうやって誰にはばかることもなく愛し合える……れっきとした夫と妻なんだからな」
「バスター……あたし、本当にうれしいし、幸せだよ……」
「俺もだよ……愛しいレアナ……」
 バスターは優しくそうつぶやくと、ゆっくりとレアナと唇を重ねた。二人は唇を深く重ねたまま、時が過ぎゆくのも忘れたかのように、強く抱き合い続けていた。全身の肌と肌とが密着して直に感じられるお互いの体温が、バスターにもレアナにもたまらなく心地良かった。



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