[TETRAの朝は今日も安寧秩序に過ぎて ―夜は激しく愛し合って―]



 一日が過ぎて、とっぷりと夜を迎えたTETRA内のバスターの個室。その中の一隅に設けられた寝台の上では、バスターとレアナが裸のままで抱き合っていた。ぐしゃぐしゃに乱れきったシーツが、二人が今夜も何度もひとつに結ばれて愛し合った事実を如実に物語っていた。

「ね、バスター……」
「どうした?」
「朝も同じことを思ったんだけど……バスターにこうして抱きしめられているだけで……どうしてこんなに幸せになれるのかな……」
「どうしてだろうな……。俺にも分からないけれど……それでもいいじゃねえか……。俺達がいま、同じ幸せを分かち合えているのなら……」
「うん……そうだね……」
「愛しい俺のレアナ……お前は本当に……なにもかもが魅力的だな……」
 レアナを抱きしめながら彼女を見つめていたバスターはおもむろに身を起こすと、そう言って柔らかで弾力に満ちたレアナの乳房に口を大きく開けてかぶりついた。
「あ……ん! バスター……!」
 バスターがレアナの豊満なうえに形の良い乳房の先端の愛らしい乳首を舌先で転がしたり甘噛みしたり吸い上げたりするたびに、レアナはたまらずにバスターのあざやかな赤い髪の毛を両手で夢中になってくしゃくしゃにつかんで甘い声をあげた。バスターに愛されてそんな風にあられもなく身をよじらせるレアナの乳房にかぶりついたバスターの口の中では、彼の執拗なまでの愛撫に敏感に反応した愛くるしい乳首がツンと硬くなっていた。
「あん! ああん! バスター……!」
「レアナ……お前のすべてが……俺には愛しくてたまらないんだ……!」
「バスター……もっと愛して……。バスターに愛される以上にうれしいことなんて……あたしは知らないんだから……!」
「レアナ……! 俺もお前を愛する以上の喜びなんてものは……生まれてこのかた、味わったことがねえよ……!」
 先刻にレアナと愛し合った末の絶頂が過ぎ去ってからさほど経っていないのに、レアナの華奢な裸の体を丹念に愛撫する裸のバスターのむき出しの己自身は既に猛って怒張しており、彼の体はまたも雄々しいまでによみがえった精力に満ちあふれていた。そんな精力が全身にみなぎったバスターは、レアナを愛さずにはいられないどうしようもない衝動に身も心も襲われていて、それゆえにいま、手荒なまでに彼女のすべてを愛し尽くそうとしていた。
「ああ……ああん! バスター……! ああ……ん!」
 バスターの指と舌とがレアナの白い柔肌に触れて途切れることなく彼女を愛するあいだ、ひっきりなしにずっと、レアナは甘く高い声をあげ続けていた。

「レアナ……いいな?」
 バスターに全身を余すところなく愛撫され尽くしたレアナの肌はうっすらとピンク色に染まり、レアナはぐったりとなって荒い呼吸を繰り返していた。それでもぼんやりとした意識の中で、バスターの問いかけにレアナはかろうじてこくりとうなづいた。
「うん……。バスター……来て……」
 レアナのその返答を聞くと同時に、仰向けに横たわる彼女の体に覆い被さったバスターは、猛りきって焼けた鉄のように熱く硬くなった己自身でもってレアナの体の中に勢いよく攻めこんだ。バスターに初めて抱かれたときから数え切れないほど彼にそうやって愛され続けていても、レアナはつねに初々しいとろけるような魅了的な声で、自分の体の中に攻めこんできてたとえようもない快楽を与えてくれるバスターの名前を切なく愛しげに呼んでいた。
「ああ……ん! バスター……!」
「レアナ……! 愛してる……! レアナ!」
 レアナは自分の体に覆い被さるバスターの鍛えられたたくましい体にしがみつくと、声を振り絞って愛する彼に懇願した。
「バスター……! たくさん愛して……! うんとたくさん……愛して……!」
「ああ……。もちろん分かってるさ……レアナ……!」
 レアナとひとつになったままのバスターの体が大きく荒々しく動き始め、再び二人は激しく愛し合い始めた。バスターに熱く激しく愛されるレアナのひときわ甘く高い声に加えて寝台がきしむ音も部屋の中には絶え間なく響いていた。

 ひとつに結ばれたバスターとレアナがひとしきり愛し合って共に絶頂を迎えて果てた後、部屋の中はまた静まり返り、二人は先ほどと同じように裸のままで抱き合っていた。
「バスター……。こんな状況で……あたしたちはこんなに愛し合っていてもいいのかな……」
「いまが人類が滅亡しかけてる超レベルAの非常事態だってことか?」
「うん……」
 バスターはレアナの体を抱きしめたまま彼女を下に組み敷くと、そのまま、レアナの頬を優しく撫でてささやいた。
「いいじゃねえか……。こんな状況でも……お前と愛し合えることは、俺にとって何物とも代え難い喜びなんだ……。それとも……お前は嫌か?」
 バスターが少しだけ意地悪く笑ってそう言うと、レアナはぶんぶんと頭を横に振った。
「そんなことない……。バスターと愛し合えることが……いやなわけなんてないじゃない……。バスターとこんな時間を過ごせるのなら……あたしも……いまがどんな状況かなんて関係ない……」
「だろう……?」
「バスター……。世界がどんなことになっても……あたしはバスターのことが……大好きだから……」
「俺もだよ……。どんな形でも、この世界がある限り……レアナ、お前を愛しているからな……」
 バスターとレアナは共にまぶたを閉じると唇を深く重ね、お互いの体温を分かち合うように強く抱き合った。世界がどんな状況になろうとも、愛し合う二人の絆が断ち切られることなど、決してあり得なかった。



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