[いつか宿る魂 ―それは二人の愛の証ゆえに―]



「バスター……! ああん! バスター!」
「レアナ……レアナ……! 愛してる……! レアナ……!」
 薄暗い部屋の寝台の上で絡むように抱き合ってひとつに結ばれて、バスターとレアナはまさに愛し合うさなかだった。広くはない部屋の中には、レアナのこのうえなく甘い嬌声と寝台がきしむ音とが絶え間なく響いており、その様はあまりに刺激的で官能的だった。

 バスターに深く激しく愛され、そのあまりの激しさに、レアナの意識は吹き飛びかけていた。
「バスター……! あたし……もう……ダメ……」
「まだだ! 俺はまだまだなんだ……! レアナ!」
 言葉を発するのもやっとなレアナの懇願は、彼女を愛する男の本能に支配されてしまったバスターには聞き入れられず、懇願するレアナを厳しい口調でつっぱねると、バスターは彼女を抱いて何度も何度もその壊れそうなほどに華奢な体を攻め尽くした。
「ああん! あん! バスター……!」
 レアナの唇を乱暴に奪うと、レアナと再び結ばれて彼女をその体の芯から愛しながら、今度はその愛するレアナを背中から抱きしめて後ろから攻めると共に、彼女の豊満で柔らかな弾力のある乳房をバスターは力任せにつかんで荒っぽく愛撫した。後ろから深く攻められて愛されているうえに、そのやり方が粗暴ではあっても、どこまでもレアナを求めるバスターによる乳房への愛撫にもレアナの体は敏感に反応していた。レアナの豊かで形の良い乳房をつかむバスターの手の中では、桜色の愛らしい乳首がツンと硬くなっていた。
「あん! バスター……! おねがい……! ああ……ん!」
「レアナ……! もっとだ! 俺はもっと……お前が欲しいんだ……!」
 バスターに執拗に荒々しく愛されることでレアナは何度も絶頂に達し、体の力も抜けきって、バスターに攻められ愛されるがままだった。もはや愛するバスターの名前を呼ぶこと以外、レアナは何も考えられなくなっていた。
「バスター……! バス……ター……!」
「レアナ……! レアナ……!」
 息も絶え絶えになりながらも自分の名前を呼び続けるレアナの声に呼応するように、愛しい彼女の名前を呼びつつ、バスターは猛りきった己自身で何度も繰り返し、あふれ出した愛の蜜で濡れそぼったレアナの蜜口を貫き、彼女の体の芯を奥底まで攻めて、絶頂に達するたびに何度も自らの熱く濃厚な白濁した精をレアナの体の芯の奥深くにほとばしらせた。
「くう! う! レアナ!」
「ああ……ああん! バスター!」
 だが何度も絶頂に達してそのたびに精を放っても、まだ愛し足りないと言わんばかりに、バスターの己自身は硬くいきり立ったままだった。愛してやまないレアナの名前をただひたすらに呼びながら、バスターは彼女を求め、硬くそそり立った己自身で攻めて愛する行為にすっかり囚われていた。
「レアナ……! レアナ!」
「バスター……! あ……ん……!」
 そうやってバスターはレアナとひとつになって深い愛の海に溺れていたが、幾度となく絶頂に達して精を出し尽くしたことで、ようやくバスターの己自身が鎮まると、あんなにも猛々しかった様が嘘のように鎮まった己自身を、バスターはレアナの中から引き抜いた。
「はあ……はあ……」
 荒く大きな呼吸を続けながら、バスターはレアナをいとおしげに抱きしめ、寝台のくしゃくしゃに乱れたシーツの上に倒れるように横たわった。

 意識を失う寸前までバスターに激しく攻められ続け、華奢な体のすべてを愛し尽くされたレアナは、バスターの腕の中でぐったりとなりながらも、自分の体を抱くバスターのたくましい裸の胸に身を寄せた。
「バスター……今夜は……すごかったね……。でも……こんなにいっぱい愛してもらえて……あたし……すごくうれしい……」
「レアナ……すまなかった。さっきまでの俺は……理性がどこかに飛んじまっていたらしい……」
「ううん……あやまらないで……。バスターがうんといっぱい愛してくれて……あたし、どうにかなりそうだったけど……言ったじゃない……バスターに愛してもらえると……すごくうれしいって……」
 レアナはその言葉の通り、心から嬉しそうに微笑み、澄んだ青い瞳でバスターを見つめた。
「ね、バスター……もし地球に無事に降りられたら……あたしたち、たくさん赤ちゃん……作らなきゃね。バスターの赤ちゃん……いっぱい産みたいな……」
 レアナの大胆な言葉にバスターは顔を赤らめたものの、すぐに冷静さを取り戻すと穏やかに微笑んで紫色の瞳でレアナを見つめ返し、彼女の髪を優しく撫でた。
「そうだな……だけど……何人もの子供を産むことでお前の体にかかる負担を考えると……」
「ううん……バスターの赤ちゃんなら……あたし、何人だって産みたいよ。だって……大好きなバスターの赤ちゃんだもん……」
 レアナはそう言うと、バスターが己の熱く濃い精を幾度も放った場所である自分の腹部をいとおしそうに撫でた。
「今夜のバスターは少し怖いくらいだったけど……でも、毎晩……こんな風にバスターとひとつになって愛し合うたびに……バスターの赤ちゃんがあたしのお腹にできるように……バスターが熱いのを、いつもあたしの中にたくさん出してくれて……あたし、本当に愛してもらえてるんだなあって幸せになれるの……ありがとう……バスター……」
 レアナと出会い彼女を愛するようになるまでは、バスターはただ性欲を満たすためだけに、そのつど、愛してもいない女を抱いていた。同じ女とはせいぜい二、三回ほどしか寝なかったし、一回だけ寝てそれっきりということもめずらしくはなかった。そのたびに厄介なものだとしか思わず捨てるように処理していた己の精を、愛するバスターの子供が欲しいのだからと、こんなにもいとおしんで自分の体の中に受け入れてくれるレアナの姿に、バスターは彼女への愛がとめどなく沸き上がるのを抑えられなかった。
 それまでただ厄介な代物として捨てるように処理していた精とは異なって、レアナと愛し合って彼女の体の芯の奥深くにバスターが放つ熱く濃厚な精は、バスターのレアナへの愛そのものだったのだから。そのバスターの熱い愛を、レアナはこんなにも喜んで素直にその身に迎えてくれるのだから。
 思えばバスターがレアナを初めて抱いたときに、レアナが育てられた特殊な環境とそこから由来する彼女の精神年齢の低さも手伝って、レアナが男女の性の知識に関して何も知らない幼い子供同然だったにもかかわらず、絶頂に達したバスターが己の熱い精を彼女の中にすべて出してしまったのも、レアナを真剣に愛するがゆえだった。愛し合った証を愛しい彼女の中に残したいという想いが、無意識ながらもバスターの中にあったからだった。
「レアナ……!」
 レアナを抱く腕にさらに力を込め、バスターは彼女と深いくちづけを何度となく交わした。そうやってレアナの唇を求めるバスターはどこか強引ですらあったのに、レアナは何も拒まなかった。
「バスター……う……ん……」
 先刻のようにバスターにどんなに激しく手荒く攻められても、そのうえまた今のように強引であっても、レアナはバスターのすべてを受け入れていた。それはレアナがバスターを純真無垢に愛しているからに他ならず、そんなレアナがバスターにはたまらなく愛しかった。二人は唇を何度も重ねることで再び深く、けれども静かに愛し合っていた。
「レアナ……愛してる……」
「バスター……あたしも……」
 決して大きくはない寝台の乱れきったシーツの上で、何一つまとわず裸のままで抱き合い、唇を重ねて愛し合う二人を止められるものなど、何も存在しなかった。静かにではあるが限りなく深く、一心に求め合って愛し合うバスターとレアナ。深い愛で結ばれた二人が愛し合うその行為に飽きるということなど、あり得なかった。



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