[溶けあう二つの想い ―結ばれてひとつになって―]



 ほのかな灯りの下で、バスターは自分の腕を枕にして眠るレアナを見つめていた。レアナは静かな寝息を立てており、バスターがすぐそばにいることに安心しきっているようだった。
 愛しいレアナのあどけない姿を見つめながら、静寂が支配する今この時間が嘘のように燃え上がった、ほんの少し前の熱に満ちた時間をバスターは思い返していた。

 固く抱き合ってくちづけを交わしながら、バスターの片手はレアナの豊かな乳房をその掌中に収めていた。白い乳房は柔らかで弾力があり、バスターが揉みしだくたび、指でその頂の桜色の乳首をもてあそぶたび、レアナは甘い声を漏らした。
「あ……バスター……あん」
 その声がたまらず、バスターが唇を解放して今度はもう片方の乳房を優しく噛んで乳首を吸い上げると、レアナはさらに声をあげ続けた。
「あ……ん!……だ……め!……ああん!」
「レアナ……可愛いな」
 嬌声をあげるレアナの様にバスターは思わず本音を呟き、バスターのその言葉にレアナはかあっと顔を赤く染めた。
「やだ……バスターってば……」
「それにこっちも……もう我慢出来ないか?」
 バスターがそう言って腕を伸ばし、レアナの体の中で最も奥めいて秘められた場所である蜜口に無骨だが長い指を差し入れると、既に透明な愛の蜜がこぼれ出しているのが分かった。
「バス……ター……! だめ……! そんな……!」
「そうか?……けど、もう少し……濡れたほうがいいんじゃないか?」
 そう言うとバスターはレアナの蜜口に顔を近づけ、愛の蜜の源泉から指を抜き出す代わりに今度は舌を伸ばして差し込んだ。とろりとした蜜に満ちた蜜口の内部が深く差し込まれたバスターの舌先によってかき回されるたびに、レアナは先にも増して高く甘い声をあげ続けた。
「ああん! バスター……! だめぇ……! ああ……!」
 バスターがようやく顔を離して口元を手の甲で拭うと、レアナの蜜口はシーツをぐっしょりと濡らすほどたっぷりとあふれ出した愛の蜜ですっかり濡れきっていた。
「バス……ター……」
「なんだ?」
「ずるい……いつもこんなの……もう……がまんできないじゃ……ない……」
「レアナ……」
 ぜいぜいと荒い呼吸を続けながら濃艶な「女」の顔でバスターを見つめるレアナは何よりも美しくバスターの目に映り、彼のレアナへの愛をいっそう刺激していた。
 バスターは己の分身も十分にたぎりきっていることを意識し確認すると、片手でレアナの手を握りしめ、もう片方の手でレアナの腰を掴んだ。
「レアナ……いいな?」
 バスターがレアナの意思を確認するかのように唇に軽くくちづけると、レアナはとろんとしながらも艶やかな瞳でバスターを見つめ返した。
「うん……来て……いっぱい……うんといっぱい……愛して……」
 バスターの愛をさらに求める大胆だが純粋な言葉をレアナが返すと、間髪を入れずに、バスターは熱せられた鉄の塊のごとく猛った己自身で、あふれる愛の蜜に濡れそぼったレアナの体の芯の奥底を勢いよく貫き、そのまま荒々しく体を動かした。愛するレアナをただひたすらに求める衝動に導かれるがままに。
 燃え盛る炎さながらに熱く猛々しいバスターが体の中に攻め込んできたことに一瞬だけびくりと反応しながらも、何も抵抗することもなくその華奢な身に彼を素直に受け入れたレアナもまた、他の誰でもない愛する人であるバスターに熱情のままに愛される喜びに身も心も浸りきっていた。か細い体とは対照的に、熟した果実のように豊潤でたわわなレアナの両の乳房はバスターの激しい体の動きと共に大きく揺れ、その比べるものなどないほど扇情的な様はレアナをこよなく愛するバスターの激情のみならず、彼の「男」としての本能もいたく高揚させた。
「ああ……! バスター……! もっと……もっと……バスター!」
「レアナ……! レアナ!」
 お互いの名前を呼んで求め合いながら、バスターとレアナは深い愛の海で結ばれて溺れていた。二人が繋がってひとつになったまま、とこしえにも感じられるほどの永く激しい愛の時間が過ぎたとき、とうとうバスターもレアナもほぼ同時に絶頂を迎えた。
「レアナ! う……くう……!」
 バスターが押し殺した声を漏らしたその瞬間、バスターの中からほとばしったレアナへの愛そのものである白く熱い精がふんだんにレアナの体の芯の奥深くへと一気に注ぎこまれた。体の中の奥底になだれ込んできたバスターの愛の証である濃厚な精の熱さと勢いに、体の芯だけでなく全身をも貫くように強く刺激されたレアナの視界はパアッと真っ白に光って弾けていた。
「バス……ター……!」
 バスターの手を握るレアナの手に瞬間的にさらなる力が込められ、バスターもまた、そんなレアナの手をしっかりと握り返していた。
「はあ……はあ……」
 大きく息を吐きながら、レアナへの想いの丈を一滴たりとて残すことなくすべて吐き出したことで鎮まった己自身をバスターはレアナの体の奥深くから引き離し、絶頂も過ぎ去って激しい愛のやりとりで体の力を失ってぐったりと横たわるレアナを抱きしめるようにベッドに倒れ込んだ。
「バスター……」
「……どうした?」
 バスターが両腕で抱きしめたレアナの顔をのぞき込むと、そこにはつい先ほどまでとは打って変わった穏やかな微笑みが浮かんでいた。
「ありがとう……また……こんなにたくさん愛してくれて……うれしい……」
 ひとことひとこと大切に言葉を噛みしめるようなレアナのそんな純真な様子があまりにもいとおしく、バスターはレアナを抱く腕に込める力を強めながら、片手で彼女の柔らかな髪を撫で、同じように穏やかに笑い返した。
「当たり前だろう……俺がこの世で愛してる女は……今までこんなにも愛した女は……お前だけなんだからな」
「バスター……!」
「もう……今夜は怖い夢も悲しい夢も見ないで済みそうか?」
「うん……ありがとう……バスター」
 そんな言葉を交わした後、二人はそれが自然なことのように顔を近づけ合い、静かにくちづけを交わした。それはとろけそうなほど甘く、深く激しく愛し合った後も全く冷めることのない二人の愛の熱を帯びたくちづけだった。

 バスターとレアナがひとつになって燃え上がり溶け合った熱い時間が夢だったかのように、今は穏やかな時間が部屋を支配していた。
 バスターが見つめるレアナはこんこんと眠り続けており、そんなレアナの姿を見ていると、バスターの中にほんのりと温かな想いが生まれていた。
「レアナ……愛してる」
 そう呟いてレアナの額にくちづけを落とすと、ベッドサイドの灯りを消し、バスターもまぶたを閉じた。愛し合った痕跡が残る裸の姿のまま、バスターはレアナと共に深い眠りに落ちていった。
 仲睦まじく身を寄せ合って眠るバスターとレアナの様は、眠りの中でも愛し求め合ってひとつになろうとしているかのようだった。先刻に二人を支配した熱烈な愛とはまた異なる、二人をやんわりと包み込むような静穏な愛の中で。



BACK

inserted by FC2 system