『SIN and PUNISHMENT2』―――STORY |
この宇宙は、宇宙の「内」と「外」に大別されており、両者は互いの遭遇より連綿とする敵対関係にあった。 「内宇宙」は、"ヒト"という好戦的下等生命体を「外宇宙」の侵略行為に抗う手駒とするために、いくつかの地球を作り、そこで"ヒト"を育成し、防衛最前線としていた。 「内宇宙」の目下の悩みは、"ヒト"が情緒不安定であるがために、ごく稀にではあるが、「外宇宙」との戦いではなく、友好の道を模索しようとし始める個体が出現することであった。 そんな状況に陥るたびに、その地球で1から"ヒト"を増殖しなおさなくてはならないというのは、防衛上重大な好機を相手に与えることになりかねない。 そんな「内宇宙」の危惧どおり、あるとき"ヒト"不在の第4亜地球に、「外宇宙」の侵略尖兵が降り立った。 尖兵は、その星の生命体である"ヒト"の少女への擬態をすでに完了していた。 しかし、"彼女"は「内宇宙」への侵攻の過程でその記憶を失ってしまっていた。 彼女の記憶には、「ヒト調査の任務」が、「ヒトへの興味」へと姿を変えて残っているのみであった。 彼女は、無人となった地球で一人、あてもなく"ヒト"の痕跡を探し始める。 一方、「外宇宙」の侵略を感知した「内宇宙」は、対抗手段として、特殊訓練を施した訓練生、イサ・ジョを地球へと送り込んだ。 しかし、このイサの派遣を巡っては、反対意見も噴出した。 というのも、イサの両親は「外宇宙」の血に侵蝕され、半分"ヒト"ではなくなっていたからである。 「内宇宙」は、両親から受け継いだイサの"ヒト"を超越した力を警戒すると同時に、期待も寄せていた。 しかし当のイサは、母の言いつけを守り、"ヒト"であろうとすることに固執するあまり、決してその力を行使しようとはせず、それが「内宇宙」の苛立ちを加速させてもいた。 そんなイサと、少女に擬態した尖兵は、荒廃した第4亜地球で遂に出会う。 尖兵の"ヒト"に対する洞察と興味を垣間見るにつれ、イサは、この先兵の中にこそ"ヒト"らしさがあるのではないかと共感を覚え、確認のために行動を共にする。 イサの反逆とも取れるこの行為に業を煮やした「内宇宙」は、第5亜地球から過去に訓練を施した最も戦闘能力の高い"ヒト"、「G5」を召集。 イサの抹殺も視野に入れた尖兵殲滅作戦を指示する。 G5は、「内宇宙」での"ヒト"の権利の向上と引き換えにこれを快諾。 地球へと向かった――― "ヒト"に興味を持つ、ヒトではないもの "ヒト"でありたいと願う、ヒトであるか不確かなもの "ヒト"を越えたいと臨む、ヒト 本当に"ヒト"らしいのは果たして――― |