No.27…"スナッチャー"(1992.10.23/PCエンジンSuperCD-ROM2/開発・販売:コナミ)
No.27…"スナッチャー"(1996.2.16/PS/開発・販売:コナミ)
No.27…"スナッチャー"(1996.3.29/SS/開発・販売:コナミ)

 まず最初のMSX版、PC-88版があったうえで、最初のゲーム専用ハード版であるPCエンジン版は「完全版」として作られた。後にサターン版、プレイステーション版も発売されたが、完成度と思い入れの差から、PCエンジン版について紹介させて頂くことにする。なにせ買ったその日の夕方からやり始めて、のめりこんで完徹してその日のうちに解いてしまったほどのゲームなのだから。

 世界観は映画『ブレードランナー』の影響を色濃く受け継いでいる。両者を見比べてみたことのある方ならわかるだろうが、『スナッチャー』の主人公ギリアン・シードは『ブレードランナー』の主人公デッカード(ハリソン・フォード)に服装からしてそっくりであるし、やはり『スナッチャー』の重要キャラであるランダム・ハジルは、『ブレードランナー』でルトガー・ハウアーが演じたレプリカントであるロイ・バッティの面影を残している。

 しかし世界観が酷似しているとはいっても、ストーリーは完全に別物である。人間を殺して入れ替わるスナッチャーたちには、レプリカントのような悲劇性はなく、ひたすら強力な敵として描かれている。このゲームは『ブレードランナー』の世界を2042年のネオ・コウベシティという架空の街に持ってきて作り上げた、本歌取り的作品なのである。

 ゲームとしてはADVパートは昔ながらの色合いで面白いし、射撃パートは適度な緊張感を与えてくれる。ただ残念なのは、全ての謎が明かされるACT3では、プレイヤーは何もすることがなく、ただ見ているだけに終始してしまったことだろう(このためか前述のサターン版、プレイステーション版では、射撃モードが追加されている)。それでもなお、このゲームが名作であることに変わりはない。

 ある人物の最期の台詞は、今もなお、心に強く留まっている。

『俺はあんたをスナッチする事で自分を取り戻すんだ』



CHARACTERS

CONTENTS

inserted by FC2 system