"あとがき"


 今回の短編は、バスターとレアナが死ぬ間際、いえ、死んだ後に交わした会話記録です。『斑鳩』では森羅と篝は精神体となりましたが、バスターとレアナの魂も、生まれ変わるまでのいっときは、同じような精神の存在になっていたかもしれない……そんな思いからこの話は生まれました。バスターとレアナ、ふたりが死しても一緒にいたいと願った想いは、地球上に再び一緒に生まれることで叶えられたのだと信じたいのです。考察ページのほうにも書きましたが、私はふたりのクローンは、ふたりの生まれ変わりだと思っていますので。

 バスターが死の間際に思い出した小説、これはもうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、レイ・ブラッドベリの短編『万華鏡』から引用しました。かの名作『サイボーグ009』の「地下帝国ヨミ編」ラストがこの小説のラストにインスパイアされているというのも有名な話ですね。

 短い話でしたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。ではまたの機会に。

(2005.04.02.)



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