"あとがき"


   この短編『告別』は、『P.S.』同様、「(伝)勇者連合」さんのシルバーガン同人『銀銃TRI』に載せて頂いたものの再録です。「もしもクリエイタがガイのクローンも再生させていたら?」というエストラさんの考えが発端となった作品で、私はそれを膨らませただけなので、原案はエストラさん、それを元にして書いたのが私、ということになります。クリエイタがガイもクローン再生させていたとしても、エンディングでも分かるように、クリエイタが死んだ日に地球上に甦った人類はバスターとレアナのクローンだけです。この辺りの矛盾をどう解決するかに頭を悩ませましたが、結局は作中で使用したような案を用いて物語を作りました。

 クローンの「ガイ」は最期に「オリジナル」の記憶を取り戻して亡くなります。それは科学的にはあり得ないことです。クローンというものは、遺伝子が同一であるだけの双子のような存在なのですから。しかし、私は敢えて「ガイ」の結末を作中のようなものにしました。即ち、クローンとして生まれた「ガイ」は「オリジナル」の生まれ変わり的存在だったのだと。このことについてはバスターとレアナのクローンに対しても、同じ考えを持っています(クリエイタも「”彼ら”を再生する」と言っていますし、それにもし単なる遺伝子上のクローンだとしたら、バスターとレアナのクローンは、なぜ見覚えのないはずのクリエイタの亡骸を丁重に保管したのでしょうか?)。なによりも「輪廻転生」という考え方が、シルバーガンの物語には貫かれているように思えるのです。

 やや長くなりましたが、この辺りで。どうもありがとうございました。

2002.4.16.



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