"あとがき"


 バガンSSはこれで121本となりますが、大多数がバスター、次がクリエイタ視点のもので、レアナ視点で書いたものは数えるほどしかありません。私が同性なのにレアナを中心にするとなぜか書き辛かったことが原因なのですが、今回はめずらしく、レアナを描きたいと思い立ったことで書き始め、まとめることが出来ました。

 レアナが迫られた選択は本文中にもあるとおり、結局は夢の中のことです。けれど、夢を見ていても目覚めるまでそれが夢だとわからないことが多いものです。だからこそ、レアナにとってあの選択は現実と同じとして書きました。私が大好きなあるゲームの中の言葉を借りれば「この世界は夢として消えても、この世界の思い出は現実として君の心に残る」ということです。

 レアナが彼女にとっての現在を選んだことは、もしかしたら両親のみならず人類全体よりも仲間を選んだエゴとも見て取れるかもしれません。レアナが両親を助けようという過去のやり直し=人類のやり直しではありませんが、「レアナが選んだ現在」では、人類ほぼ全滅が確定しているのですから。でも、そのエゴの是非に踏み込むのは敢えてやめました。踏み込む筆力が不足している不甲斐ない証拠でもあるかもしれません……お許しを。

 読んでくださった皆様、ありがとうございました。

(2008.02.20.)



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