[Icing Out]


 バスターは目を覚ますと、まず額に冷感を、そして左手に温もりを感じた。ベッドの左側に顔を向けて見ると、レアナが椅子に座ったまま枕元にもたれかけるように眠っていた。そしてその両手は、バスターの左手をそっと握り締めていた。空いている右手を額にやると、絞られたタオルが置かれていた。だいぶぬるくなったタオルを額から外して上半身を起こすと、レアナがその動きに刺激されたかのように目を覚ました。
「あ、バスター……ダメだよ、まだ熱は引ききってないでしょ?」
 レアナはそう言うと、バスターの額に手をあて、体温計を腋下に差し込んだ。レアナが言った通り、バスターは自分の体が今朝から熱を帯びていることに気付いていた。自己管理についてはかなりしっかりしているはずのバスターだが、思わぬ油断から風邪をひいてしまったらしい。体温計のアラーム音が鳴ってその目盛を見ると、熱はまだ37度以上あった。
「ほら、まだこんなに熱、あるじゃない。おとなしく寝てなきゃダメだよ?」
 体温計をケースにしまいながら、レアナは優しげに言葉を掛けた。バスターはレアナの言う通りに横になり、彼女に声をかけた。
「なあ、レアナ」
「なあに?」
「お前、俺のことずっと看病してくれてたんだろ?……その……ありがとうな」
 その言葉はレアナも、当のバスターも、顔を赤らめさせた。しかし、おずおずとレアナが口を開いた。
「あ、あのね……バスター、朝から具合が悪かったでしょ? それで心配になっちゃって来たんだけど、バスター、ドアのロックもかけないでベッドの上でぐったりしてたし、熱もすごかったから……クリエイタから解熱薬をもらって、タオルを絞って頭を冷やしてただけなの。だから、たいしたことなんてしてないから……」
「たいしたことだよ。それだけしてもらえりゃあさ」
「え、えっと……あの……ありがとう」
「礼を言うのは俺のほうだろ」
 バスターは、自分の額に手を当てながら、照れ臭そうに言葉を返した。だが、ふとある疑問が浮かんできた。
「そういえば……お前さ、なんで俺の手、握ってたんだ?」
「え?……バスター、覚えてないの?」
 バスターは記憶を反芻したが、何があったのかどうしても思い出せなかった。しかめつらしい表情のバスターに対し、レアナはまた顔を赤らめて答えた。
「タオルを頭に乗せたときに、バスターがあたしの手をぎゅっと掴んだから……だから、離しちゃいけないって思って……それだけなの」
 自分がレアナの手を? よほど熱が高かったせいなのか、その記憶のないバスターはにわかに信じがたかったが、レアナが嘘をつくはずがない。バスターはさきほど以上に顔を赤面させた。
「そ……そうだったのか……すまねえ、悪かったな」
「どうして謝るの?……あたしは全然、平気だよ?」
 多少照れた様子で、けれども屈託の無い笑顔でそう返答すると、レアナは洗面所のほうへ足を向け、再度タオルを冷水に浸してきた。そのタオルをバスターの額にそっと乗せると、レアナはベッド脇の椅子に先と同じように腰掛けた。
「でもお薬、よく効いたみたいだね……よかった」
「そんなに高かったのか、熱?」
「うん。手を当てただけでもすごく熱かったんだよ。計ってみたら39度もあるんだもの……早くなんとかしなきゃって、急いでクリエイタを呼びに行ったの。でもバスターを診たクリエイタが『熱は高いけど風邪でしょう』って言ってくれたときには、少しだけどホッとしたよ。だって、手術とか必要な病気だったらどうしようって心配だったから……」
「そうか……心配かけちまって悪かったな」
「あやまる必要なんてないってば。心配なのは本当だけど……熱もひいてきてるみたいだし……だから……ね?」
 レアナは照れ隠しのように笑って、そう返答した。その笑顔につられるようにバスターも思わず笑みをこぼした。
「俺、どれぐらい寝てたんだ?……今、何時だ?」
 さきほどレアナが額に乗せたばかりのタオルを触りながら、バスターは備えつけの時計のほうへ目をやった。バスターが時計の文字盤を見るまでもなく、レアナが答えた。
「ちょうどお昼前。11時だよ。あたしが来てから……3時間くらいだね」
「昼メシどきか……腹、減ってるだろ? 俺のことは気にしなくていいから食ってこいよ」
「え、でも……バスターは? 何か食べたいもの、ない?」
「どうも食欲ねえんだ。だからいい」
「そう?……じゃあ……ちょっと行ってくるね」
 ドアを開ける間際にバスターのほうへ心配げな顔を向けると、レアナは静かに出ていった。

 約1時間後、レアナが戻ってくると、バスターはうたた寝をしていた。バスターがぼんやりと目を開けると、レアナが何か飲み物らしきボトルを持っているのが見えた。
「ごめんね、おそくなっちゃって。ちょっと用事があったから。あ、これ、スポーツドリンクだけど、飲まない? ごはんが食べられなくても、せめて水分くらいは取ったほうがいいよ」
「そうだな……言われてみりゃ、喉も渇いてるしな。すまねえな」
 ボトルを受け取るとバスターは喉の渇きを少しでも早く癒そうとするかのようにゴクゴクと音を立てて中身を飲んだ。
「やっぱり熱のせいで、のど渇いてたんだね。持ってきてよかった」
 バスターの勢いのいい飲みっぷりを目にしたレアナは、安堵のため息をついた。半分以上を飲んだボトルをサイドボードに置くと、バスターは再び横になった。熱が朝よりも大きく引いたおかげで、身体はだいぶ楽になっていた。
「バスター、少しだったら何か食べられそう?」
「……ああ。腹一杯には食えそうもないけどよ。だいぶ体も楽になったしな」
「ほんと?……よかった」
 レアナはバスターの言葉にこぼれ落ちそうな笑顔を向けた。笑顔を向けられたバスターはまた多少赤面しながらも、疑問をレアナにぶつけた。
「なんだ? 俺の腹具合と何か関係あるのか?」
「えっとねー……3時までのお楽しみ! そういうことにしておいて。ね?」
「おやつどきか? 何をしたんだか知らねえけど、そんないいものなのか?」
「ないしょ! あとほんの3時間だもん。ちょっとがまんしてね。それまでの間、少しでも寝ていたほうがいいよ。治りかけが危ないんだから」
 レアナは乱れたシーツを直しながら、天真爛漫と言う言葉がぴったりの笑みをバスターに向けた。その笑顔にすっかり魅了されてしまったのか、バスターは顔の向きを反対側に回し、照れた様子を隠そうとしが、やがて、いつの間にかバスターは眠りに落ちていった。それは彼の傍らに座るレアナも同様だった。レアナはうとうととしながらも体を冷やさないようにと、椅子にかけられていたバスターのパイロットスーツの上着をそっと借りた。華奢なレアナにはふたまわりほども大きな上着だったが、寝冷えから身を守るにはその大きさがかえって功を奏していた。間もなく個室の中には、二つの寝息が静かに響きだしていた。

「おい。レアナ、ここにいるか?」
 コンコンというノック音とともに、ガイの声がドアの外から聞こえてきた。その音に、バスターはレアナよりも先に反応した。
「レアナならここにいるぜ。どうした? 入ってこいよ」
 バスターの言葉を受けて、ガイはスッとドアを開けた。その両手は手ぶらではなく、何やら中くらいの大きさのガラスの器が3つ、手にした盆の上に載っていた。
「なんだよ、レアナのほうが熟睡しちまってるのか? よっぽど疲れたのかもしれねえな」
「……朝から看病してもらっちまってるからな」
「いや、それもあるかもしれねえけどよ。俺様はこれを作るんで疲れたのかと思ったんだ」
「作った? なんだよ、それ?」
 バスターはガイが持つ盆に目をやった。ガイは悪戯っぽく笑いながら、盆に載せられたものを見せた。
「アイスだよ、アイスクリーム」
「アイス? 作ったって……レアナが作ったのか?」
「そうだぜ。正確にはクリエイタに教えてもらいながらだったけどよ。真剣な顔して作ってたんだからな、レアナのやつ」
 バスターは自分の傍らで眠るレアナに目をやった。「昼間の用事」とはアイス作りのことだったのか、とふと気付いた。
「そうか……でも、よく材料があったな」
「長期保存用加工された牛乳や卵やらがあったんだよ。艦長もこれくらいなら使っていいって許可くれたしな」
「艦長が?」
「おう。レアナが頼みこんでな。お前が風邪ひいてるから特別にってな。いいよなあ、色男は」
「そ、そんなんじゃねえよ!」
 ニヤニヤしながら笑うガイに対し、バスターは彼らしからぬムキな態度で反論した。しかし、赤面した顔では、その言葉に説得力はなかった。バスターの大声に反応したのか、レアナがぼんやりと目を開けた。
「……あ、おはよ、バスター……!いま、何時!? もう3時過ぎちゃったの!?」
 慌てふためいた様子のレアナをなだめるかのように、ガイは手に持つ盆を差し出した。
「慌てるなって。ちょうど3時だぜ、ほら」
「え?……あ、ありがとう、ガイ! よかったあ……寝過ごしちゃったのかと思っちゃった」
 レアナはほっとした表情に戻ると、肩からかけていたバスターの上着を丁寧にたたみ、ガイから盆を受け取った。そして満面の笑みを浮かべながらバスターにアイスクリームが盛られたグラスを差し出した。
「はいこれ、バニラのアイスクリーム。これぐらいなら食べられる?」
「ああ、大丈夫、熱もおおかた引いたし、アイスくらいなら平気だ」
「ほんと? よかったあ……」
「けど、なんでお前、そんなに3時にこだわってるんだ?」
「アイスクリームは作ってから3時間置いたのがいちばん美味しいんだって。クリエイタに見せてもらったレシピにもそう載ってて、作り終わったとき、ちょうど12時だったの」
「へえ……出来たてのほうが美味そうに思ってたけどな。そうなのか」
「うん。そうなの」
 バスターの素朴な疑問に答えると、レアナは盆に残った2つのアイスクリームのうちのひとつをガイの差し出した。
「はい、こっちはガイのね」
「ああ。やーっと食えるなあ」
 心待ちにしていた子供のようなことを言いながら、ガイは器とスプーンを受け取った。
「3時になったら、先に食べててもよかったのに」
「病人より先に食べちゃなんか悪い気がしてよ。だからこうして待ってたんだぜ?」
 ガイはにやっと笑い、バスターの方へ目をやった。何か反論したいバスターだったが、そうすると収集がつかなくなりそうな気になり、照れ隠しのようにスプーンを弄んだ。
「あ、そうだ、艦長のぶんは?」
「艦長の分はクリエイタがちゃんと分けてあるぜ。心配すんなって」
「そう? じゃ、よかった。でも艦長……アイス食べてくれるかなあ?」
「なんだ? なんでそんなこと心配するんだよ?」
 スプーンをアイスクリームに突っ込んだまま、ガイが不思議そうに尋ねた。
「艦長、お酒はすごく好きでしょ。でも、アイスみたいな甘いものは好きかなあって……」
「これだけ美味けりゃ、艦長だって喜んで食ってくれるさ」
 手元のアイスクリームをひと匙、口に運んだバスターが笑って答えた。それは彼が時折見せる皮肉めいた笑みではなく、素直な笑みだった。バスターの言葉に、レアナの顔がぱっと明るくなった。
「ほんとに?」
「本当さ。アイスを食べるなんて子供の頃以来だけどよ。それでも、この味は保証するぜ」
「俺様も保証するぜ。確かに美味いもんな。自分でも食ってみろよ」
 バスターとガイ、二人のお墨付きとなったアイスクリームを、レアナはそっと口にした。その味が舌に伝わった途端、レアナは心底、幸福そうな笑顔になった。
「ほんとだ、美味しい……初めて作ったから少し自信なかったんだけど……よかった、美味しく作れて」
「お前が熱出して倒れたって聞いたときはびっくりしたけどよ。ほとんど熱も下がったみたいだし、それに豪華なデザートにもありつけたし、風邪さまさまだな」
 ガイはアイスクリームを食べながらバスターに向かって笑った。同じようにアイスクリームを一口づつ味わうように食べていたバスターは、ガイの言葉に手を止めた。
「……ま、そうなるかな。けど、こっちは朝からフラフラだったんだぜ? あんな感じはもう勘弁願いたいところだな」
「そうだな。レアナが泣きそうな顔して来たときは、こっちも驚いたしな。でも、よかったじゃねえか。具合も良くなったし、レアナにも看病してもらってるんだからよ?」
 ガイは笑いながらバスターとレアナに順に顔を向けた。当の二人はまたも顔を赤らめ、慌てたように口を開いた。
「あ、あのな! お前なー……!」
「もう! ガイ、えっと、あのその……いじわるだよ!」
 二人のしどろもどろな言葉を聞きながらも、ガイはすました顔でアイスを食べていた。
「いいじゃねえか、本当のことだしよ。ほら、放っておくと、どんどん溶けちまうぜ?」
 観念したかのようにバスターとレアナは火照った顔を隠すようにうつむき、ガイの指摘通り溶けかけはじめたアイスクリームを再び食べだした。甘く冷たいアイスクリームは火照りを収めてくれるかのようだった。

「あー、美味かった。じゃ、俺様は失礼するぜ。邪魔したな」
 空の器とスプーンを持ったガイが笑って部屋から出ていくと、レアナは頬を朱に染めてつぶやいた。
「……もう、ガイってば。あたしのこと、からかってばっかりなんだもん……あたしのほうがいっこだけでもお姉さんなのに……恥ずかしいよお」
「……ったく、しょうがねえ奴だよなあ」
 レアナの呟きを耳にしたバスターも、彼女の意見に同意した。
「あたし、顔が真っ赤になったまんまになっちゃうかと思っちゃった」
「お前だったら、なるかもしれねえな」
「え……? バ、バスター! バスターまでからかわないでよ! もう!」
「悪ぃ悪ぃ。そう、そっぽ向くなって」
 バスターの冗談にレアナの頬の色は朱を増すばかりだった。しかし、それでも彼女の愛らしさは変わることはない……バスターはレアナの横顔を目にして、心ひそかにそう思った。
「……さ! 病気の人はちゃんと寝て! せっかく治りかけなんだから、こじらせたりしちゃダメだもの」
 照れを隠すかのように、レアナはいきなり威勢のいい口調でバスターに注意を促した。バスターも今度はからかうことなく大人しく従った。冷水で固く絞ったタオルをバスターの額に乗せると、レアナはまたベッドの傍らにちょこんと座った。
「いいんだぜ、つきっきりでいてくれなくても。お前だって疲れるだろ?」
「ううん、平気……それとも、あたし……ここにはいないほうが、いい?」
 レアナの表情と声は明らかに不安げだった。バスターは慌てて彼女の問いに答えた。
「い、いや。俺は構わないから……お前さえよければ、ずっと居てくれていいんだから、な?」
「ほんとう?」
「本当だよ。だから、そんな顔するなよな」
 バスターは腕を伸ばし、レアナの頬に手を当てた。その手を両手で包むように握り、そっと微笑んだ。
「……ありがとう」

 それから2日後。薬とレアナの看病のおかげか、バスターはすっかり全快していた。パイロットスーツに着替えて上機嫌な様子で自室を出ると、クリエイタと出会った。
「バスター? グアイハ モウ、イイノデスカ?」
「見ての通り。もう大丈夫だ。心配かけて悪かったな」
「ソウデスカ。ソレハ ヨカッタデス」
 バスターの様子に、クリエイタはニコリと安堵の表情を浮かべた。
「レアナにも2日間もつきっきりになってもらっちまったしな。早く治って俺もホッとしてるぜ」
「ワタシガ カワロウカト オモッタノデスガ……レアナガ ダイジョウブダト イイマシタモノデ……アト……」
「あと? なんだよ、クリエイタ?」
「ガイニモ イワレマシタモノデ。”ジャマシチャ ワルイ”ト……」
「じゃ……邪魔ぁ? な、何言ってんだよ、あいつは!?」
「よお。風邪はもういいのか? バスター?」
 困惑するバスターを尻目に、ちょうどガイが後ろから声を掛けてきた。バスターは振り向き、ガイに対して詰め寄った。
「ああ、この通りな。それより……ガイ。お前、クリエイタにまで何言ってんだよ!?」
「あ? 何がだよ?」
「何がって……レアナに……」
「おはよー! あれ? バスター、もうだいじょうぶなの?」
 タイミングがいいのか悪いのか、バスターがガイに詰問する前に当のレアナがやってきてしまった。バスターは一瞬、バツの悪そうな顔をしたが、なんとか笑顔を作って答えた。
「あ、ああ。もう風邪はすっかり良くなったみたいだ。おかげでな」
「ホント?……よかったね! バスター!」
 バスターの返答に、レアナは満面の笑みを浮かべて彼の手を取った。そのレアナの振るまいに、バスターはすっかりガイを詰問するタイミングを失い、代わりにレアナに対して礼を述べていた。
「えっとな、その……お前にも迷惑かけちまって悪かったな、レアナ」
「そんなこと、気にしなくていいよ。こうやってバスターが元気になってくれたんだもの。ね?」
 バスターの顔を見上げるようにして、レアナは屈託無く笑った。その笑顔に釣られたように、バスターの笑顔もいつの間にか作ったものではなくなっていた。
「そ、そうか? でも……ありがとうな」
 二人のやりとりをガイはクリエイタと共にのんびりした様子で見ていたが、ガイはそっとクリエイタに耳打ちするように呟いた。
「な? レアナに任せといて、よかっただろ?」
「エエ……ホホエマシイ デスネ」
 クリエイタも音声を絞って、アイモニターをニコリとさせて返答した。
「レアナが相手だと、あいつ、アイスクリームみたいになっちまうんだもんな」
「アイスクリーム……デスカ?」
「冷たいかと思ってると、いつの間にか溶けちまってるってことだよ。見てるこっちのほうまで当てられちまうけどな」
「ソウイウ コト デスカ」
 ガイの返答に納得したように、クリエイタはこくりと頷いた。
「あ、ガイとクリエイタ、なに話してたの?」
「なんでもねえよ。単なる世間話ってとこだ。な、クリエイタ?」
「ハイ」
 ガイとクリエイタは示し合わせたように、レアナに対して笑って答えた。
「そうなの?……ふうん……あ、ほら、みんな揃ったんだし、早くブリッジに行こうよ。艦長もバスターのこと、心配してたんだしね」
 レアナに促されて、一同は艦橋へと足を向けた。その途中、バスターはガイの横に並び、ガイに対して耳打ちした。
「おい、ガイ」
「なんだ?」
「……レアナのこと、貸しにしといてやるよ。それだけだ」
 それだけ言うと、バスターはさっと足を速めて離れていった。その後ろ姿を眺め、ガイはにんまりと笑って呟いた。
「貸し、かよ……ま、あいつらしいな」



あとがき


BACK
inserted by FC2 system