No.79…"さんまの名探偵"(1987.4.2/FC/開発・販売:ナムコ)

 ゲームは冒頭、桂文珍が殺されるシーンから始まり、プレイヤーは名探偵?さんまの助手となってこの殺人事件を解明し、真犯人を探すことになる。いわゆるキャラゲーであり、現実の人物達とのコラボゲーでもあるのだが、単なるキャラゲーの枠に収まっておらず、1本のアドベンチャーゲームとして非常に高い完成度を誇る名作である。

 移動は大阪の簡易的なマップ上を歩いて建物や場所に入ることで行われ、キャラとの会話はオーソドックスなコマンド選択式である。ゲーム内でプレイヤーはさんまと簡単に話せるが、これが実に「さんま」であり、楽しい作りになっている。また、ミニゲームも幾つか入っており、例えばゲームセンターではどこかで聞いたような名前のシューティングゲーム『ギャラクシガニ』をプレイ出来るし、エアロビクスクラブでは簡単な敵よけジャンプゲームにチャレンジし、住之江競艇場では横山やすしと競艇で勝負したりと、なかなか凝った作りになっている。

 登場人物のほとんどは発売当時に吉本興業に所属していた売れっ子芸人達であり、それぞれのキャラの魅力が余すところなく描かれている。現在では芸能界の表舞台から姿を消した方や鬼籍に入られた方も多いので、いまプレイすると、彼らの全盛期を追体験出来るような気持ちになり、現在の状況と重ね合わせると一抹の寂しさも覚えてしまうが、基本的には根本からしっかり作られた楽しいゲームであることには間違いない。

 様々な権利的に絶対にバーチャルコンソールには入らないと思われるゲームなので、現在プレイするにはソフト本体とファミコンの実機を用意する必要があるが、それらの手間をかけたぶんの元は十分に取れるほど、非常に面白く楽しく遊べるゲームである。興味を持たれた方は昔のさんま達に会いに行ってみませんか?

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