No.6…"ロマンシング サ・ガ"(1992.1.28/SFC/開発・販売:スクウェア)
No.6…"ロマンシング サ・ガ2"(1993.12.10/SFC/開発・販売:スクウェア)
No.6…"ロマンシング サ・ガ3"(1995.11.11/SFC/開発・販売:スクウェア)
No.6…"ロマンシング サ・ガ"(2001.12.10/WSC/開発・販売:スクウェア)
No.6…"ロマンシング サ・ガ"(2009.11.24/Wii VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ2"(2010.3.23/Wii VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ3"(2010.10.21/Wii VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ"(2013.12.18/WiiU VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ2"(2014.1.22/WiiU VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ3"(2014.2.26/WiiU VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ2 リマスター版"(2016.3.24/PS Vita・ iOS ・ Android/開発・販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ"(2016.11.21/New3DS VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ2"(2017.8.23/New3DS VC/販売:スクウェア・エニックス)
No.6…"ロマンシング サ・ガ2 リマスター版"(2017.12.15/Nintendo Switch ・ PS4 ・ Xbox One ・ Steam/開発・販売:スクウェア・エニックス)

 まずは『1』。一般には「バグゲー」と呼ばれ、実際にバグの嵐のようなゲームなのだが、ハマるとそのバグをも含めて、抜ける事の出来ない麻薬的な面白さがある。このゲーム、ロマサガはSFCのRPGで「フリーシナリオシステム」を初めて前面に打ち出したゲームである。とはいえ、実際には8人のキャラクターの始まりの部分だけが違うだけで、後半に入るとどのキャラクターを選んでも結局は「邪神サルーインを倒す」という目的に向かってシナリオの分岐は収束していく。よって、厳密には「フリーシナリオ」とは呼べないかもしれない。
 それでも、各キャラはちゃんと自分達の目的をもって、それぞれに行動しているのである。例えば8人の中でも最も主人公らしいキャラである貴族の子息・アルベルトの場合、乗った船が嵐のために雪国バルハラントの海岸に漂着し、そこでバルハル族の女性戦士・シフと出会う。シフに助けられたアルベルトは、彼女と共に自国であるローザリア王国への帰還の旅に出る。そのため、アルベルトもしくはシフ以外のキャラクターでプレイすると、この二人は大抵、一緒に居る。これは元バファル帝国兵の冒険者・グレイとバファル帝国の皇女・クローディアでも同じことが言える。グレイはクローディアのボディガードとして雇われているため、ほとんどの場所で一緒に居るし、この二人だけの専用イベントも存在する。
 それだけではなく、各キャラ達はプレイヤーキャラが行動している間にも、それぞれがそれぞれの目的で移動をしているため、一箇所に留まっていることはあまりない。例えば自身の船を失った海賊・キャプテンホークは大陸をどんどん南下していくので、仲間に加えたいプレイヤーキャラは彼の足取りを辿って追いつかなければいけない。不便といえば不便だが、「決してプレイヤーを中心には回っていない世界」がそこにはある。それが私にとっては本当に新鮮な体験だった。そうでもなければ、グレイで私が5回もクリアしたりするはずがないのである。

 次に『2』。まずシステムが全く変わり、プレイヤーキャラクターが次々と変わり、世界をひとつの国家に統一していくというシナリオとなった。プレイヤーキャラクターはバレンヌ帝国の皇帝となり、「伝承法」という秘儀を使って、代々の皇帝にその能力を伝えていく。それによってパーティの増強を図り、最終的には帝国の全世界統一を邪魔する存在である「七英雄」をはじめとした敵を破っていくのである。プレイヤーキャラクターはコロコロと変わるので、個別のキャラへの感情移入度は少ない。しかし、各職業のキャラ達はデザイン・能力はほぼ同じで色違いなだけなので、職業へ感情移入することは可能である。私の場合、「フリーファイター」「ホーリーオーダー」という職業が好きだったので、常にパーティに入れていた。また、特定の職業はそれぞれ「陣形」を持っており、それらの職業のキャラを皇帝にすることで、新しい陣形を覚えていくことが出来る。特に全防御力の上がる「ムー・フェンス」や、前列の攻撃力・スピードがアップする「アマゾンストライク」は、非常にコストパフォーマンスが高い陣形と言える。
 『2』では『1』に見られたようなバグは存在しない。その代わり、難易度は確実に上がっている。『1』の頃からそうだが、ロマサガではキャラクターの能力アップに比例して、敵の強さも上昇していく。この上昇度が、『2』では非常に厳しいのである。よって、たとえザコ戦であっても、気を抜くと全滅させられることも少なくない。ザコでさえこれだから、ボスの強さ、特に七英雄の強さたるや、とんでもないものもある。それでも代々の皇帝の能力を引き継いでパワーアップし、パーティも強化していくことで撃破していく。『2』はRPGというよりもシミュレーションに近いのかもしれないが、それでも『1』とは全く違う面白さを味わうことが出来るゲームである。

 そして『3』。今作は難易度は『2』よりも易しくなっているし、今回は『1』と同じスタイルに戻って、特定の8人の主人公キャラのうち、一人を選んでストーリーを進めていくことになる。私は8人の主人公のうち、ロアーヌ侯爵・ミカエルとアウスバッハ家の侍女・カタリナ以外の6キャラをクリアしている。
 しかし、やはり「フリーシナリオ」と銘うってはいるものの、結局は最後の敵を倒すという目的のためにシナリオはどのキャラでプレイしても収束していく。それにこれは私の推測でしかないのだが、『3』は未完成作品を無理やり発売したような印象があってならないのだ。それはあちこちに点在する「明らかにイベントがあったはずなのに削られたシーン」が多すぎることからも考えられる。例えばある店に入ると、入り口以外にもうひとつのドアがある。そこへ行こうとすると、店主から「そっちには何もありませんよ」と引き止められてしまう。明らかに、本来ならなんらかのイベントがあった部分を削ったとしか考えようがない。それに削るなら削るで、それを匂わせない作りにしてほしかった。
 そしてもうひとつ。これはもうネタバレしても時効だと思うのだが、実は8人の主人公の中に、神にも匹敵する力を持って生まれた「運命の子」が存在している。このキャラクターで最終ボス戦まで行くと、なんと前代未聞、主人公抜きのラストバトルとなるのである。これは最終ボスが「運命の子」の破壊者としての力が具現化したものであるため、「運命の子」はその力を少しでも抑えようとして、戦闘には参加出来ないのである。よって、主人公が参加しない「コマンダーバトル」で戦う必要があるのだが、これはあらかじめ知っていなければ「コマンダーバトル」の強化は出来ない。それに、そのキャラクターは終盤になって唐突に「運命の子」であると判明するのだが、そこまでの伏線がほとんど張られていない。「運命の子」として生まれた以上、そもそもの出生自体にも秘密があるはずなのだが、そこにも全く触れられていない。期限が迫っていたのか、それともロマサガなんてどうでもいいソフトぐらいにしか思われていないのかは知らないが、いい加減な仕事をすることはやめてほしいものである。

 最後にワンダースワン版。これは『1』の移植版で、4つの追加イベントに加えて、バグも調整してある。移植作としてはかなり良い出来だと思う(実際、私はこのゲームのためだけにワンダースワンを買った)。しかし、あのグラフィックをSFC版そのままで流用しているのはどうかと思う。同じワンダースワン版『FF』や『サ・ガ』があれだけ綺麗なグラフィックで甦っているのに、ロマサガだけがなぜベタ移植なのかと思うと悲しくなってくる。一時期、噂で流れた「ロマサガは新人が回されるチーム」という情報は本当だったのだろうか。スクウェアにとってはFF以外のゲームなんて、どうでもいいのだろうか。悲しい限りである。

追記:2005年、第1作目の完全リメイクである『ロマンシング・サガ ミンストレルソング』の発売が発表された。しかし、そのゲーム内容は……おせじにも面白そうとは言えない。特にキャラデザインが全く別物になってしまったのは大きなマイナス点だろう。どのキャラも狂ったようなデザインにされてしまっているのである(特にホークとジャミルは酷すぎる)。ゲームそのものについては、ソフトを実際にプレイしてから、また改めて触れたいと思う。


CHARACTERS「1」

CHARACTERS「2」

CHARACTERS「3」

FAN FICTION
(2017.9.2)

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