No.70…"斬撃のREGINLEIV"(2010.2.11/Wii(モーションプラス対応)/開発:サンドロット/販売:任天堂)
No.70…"斬撃のREGINLEIV"(2015.2.18/Wii U DL(モーションプラス対応)/販売:任天堂)

 パッケージや公式サイトでも銘打たれている「ジャンル:斬撃アクション」という言葉が「Wiiリモコンを振って画面内の巨大な敵を斬って倒す」このゲームの面白さの基本をそのまま表している。リモコン&ヌンチャクだけでなくクラシックコントローラにも対応しているが、ポインターの動きがそのまま剣の軌跡になる爽快感はリモコンならではのものだし、私のようなアクションが不得手な者には、指先だけでなく手の動きで直感的に操作出来るリモコンのほうが向いているように思う(個人の感想なので断言は出来ないが)。

 北欧神話をベースとした世界で、プレイヤーは若き神フレイと妹女神フレイヤを操り、「霜の巨神」を主とする巨大な敵に立ち向かう。最初に現れる小型巨神は身長5メートルほどだが、それでも人間をじゅうぶん威圧する大きさだということは画面から嫌というほど伝わってくるのだから、次に現れる中型(15メートル)や大型(30メートル)の巨神の大きさたるや言わずもがなである。さらに巨神を運ぶ魔船、跨った大型巨神ですら小さく見えるほどの巨獣、三つ首の不死の巨神と次から次へと圧倒的に巨大な敵が襲いかかってくるが、だからこそ、それらの敵を打ち倒す達成感もまた大きいものになっている。

 二人のプレイヤーキャラは両者とも基本的に剣・大剣・槍・弓は装備出来るが、特性が大きく異なる。フレイは剣や大剣での攻撃力やスピードが高く、重いハンマーも彼にしか扱えないが、魔力を必要とする武器は使えない。逆にフレイヤは剣系を扱った際の攻撃力やスピードでは兄に負けるが、代わりに魔力を消費することで弓や槍、彼女専用武器である杖を使う際に接近せずとも多大なダメージを与えられる。オフラインでは共通ステージだけでなくフレイまたはフレイヤ専用ステージも多いので、それぞれの個性を把握して戦うことになるが、その戦法の差もストーリーモードでのアクセントになっている。

 武器はゲーム開始時点ではフレイ、フレイヤ合わせて5種類だけだが、ゲーム内で巨神を攻撃したときに入手出来る「マナ」や「氷」「霜」といった各種の「結晶」を使うことで新しい武器を開発出来るようになっている。弱い武器にこだわっていては先のステージや高難易度をクリアするのは困難なので、武器はより強いものをどんどん生み出していく必要がある。武器の種類はツリー状に派生していき、ストーリーモード初回クリア時には平均して約100種類、最終的に作り出せる数は300種類に達する。

 アクション要素だけでなく、北欧神話に基づく世界観やストーリー、キャラクターも総じて魅力的である。登場人物の大半はステージ内でNPCとして共に戦うのだが、その間、彼らは皆よく喋る。それらNPCの台詞が重要なヒントやストーリーの補足になっているほか、各人の性格や考え方を反映していたり戦い以外の日常も想像出来たりと非常に面白く、キャラの存在感を際立たせている。そして物語を通して、力と数で敵に圧倒的に負けていても戦うことを諦めない人間の姿が描かれており、神族のフレイとフレイヤがそんな人間に影響を受け、関わった人間達との関係も変わっていく過程も王道なのだろうが興味深い。

 残念ながら今まで挙げた良点だけでなく、だだっ広く移動順路も分かりにくいステージが少なくないことや、ダッシュに当たる「神速移動」の操作がやり辛いといった難点もある。特に後者は攻撃回避のためにも大事な要素なのだからもう少し改善してほしかった。けれど、それら欠点の存在以上に引き込まれてしまう魅力を持ったゲームであることは間違いない。アクション好きな方だけでなく、動画を見たりして興味はあるんだけど……というような方にも、物怖じせず試してほしいと薦めたくなるゲームである。



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(音楽注意)

社長が訊く『斬撃のREGINLEIV』

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