No.38…"弟切草"(1992.3.7/SFC/開発・販売:チュンソフト)
No.38…"弟切草"(1997.9.30/SFC(ニンテンドウパワー)/販売:チュンソフト)
No.38…"弟切草 蘇生編"(1999.3.25(廉価版:2001.4.12)/PS/開発・販売:チュンソフト)
No.38…"弟切草"(2007.8.28/Wii VC/販売:チュンソフト)
No.38…"弟切草 蘇生編"(2011.9.14/PS ゲームアーカイブス/販売:チュンソフト)
No.38…"弟切草"(2014.7.30/WiiU VC/販売:スパイク・チュンソフト)

 チュンソフトが発売した記念すべき「サウンドノベル」第1弾。この世に最初に出たサウンドノベルであるSFC版はグラフィックではさすがに今のゲームには負けるが、特筆すべきは「音」による演出である。階段を登る音、窓のガラスがきしむ音、何者かの足音など。それらの音は現実で実際に聞いたら、大げさに聞こえるだろう。しかし、この「ゲーム」という枠組みの中では、「実際よりも大げさな音」のほうが非常に効果的に働くのである。

 シナリオについては、サウンドノベル第1弾ということもあって、いま読むと話の辻褄の合わないところが目立つし、全てのシナリオは最初からやらなければいけないので、非常に面倒くさい。だが、PSでリメイクされた『蘇生編』では、ヒロインの奈美編が追加された他、一度選んだ選択肢は色が変わって分かるようになったので、全シナリオを見ることもたやすいだろう。

 だが、前述した「音による演出」という点では、SFC版のほうが勝っているように思える。これはSFC版のシンプルなグラフィックも効果的に働いているのだろう。『蘇生編』のリアルなグラフィックもいいが、SFC版の簡素なグラフィックがそれに劣っているとは思わない。まさに「ゲームは見た目の美麗さだけではない」見本だと思う。

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