No.37…"北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ"(1987.6.27/FC/開発・販売:アスキー)

 ドラクエシリーズのシナリオでその名を知らないものはいない堀井雄二氏の代表作的アドベンチャー。主人公の刑事(通称:ボス)は東京湾に上がった被害者の身元を調べるうちに、被害者が北海道出身であることにたどり着く。そこから始まる「北海道連鎖殺人」の真犯人を追って、ボスは北海道へ飛び、北海道警の若手刑事・猿渡俊介(通称:シュン)と共に事件を追っていくことになる……。

 非常にシナリオがしっかりしており、発売から何年も経ち、FCというハードのスペックを考えても、今でも楽しめる傑作推理アドベンチャーである。例えば第1の被害者の見つかった周辺で聞き込みを行うと、「若い女性が最近ひき逃げされた」という情報が得られるし、シュンは初対面時に「最近、暴力団の動きが活発になっていますが関係ないでしょう」と言う。しかし、これらの何気ない情報が、後々で見事に伏線として生きてくるのだ。この辺りのストーリーテリングはさすが堀井氏といったところだろう。

 FC版のキャラクターデザインは「ファミ通」でおなじみの荒井清和氏が担当しており、氏の代表キャラである「べーしっ君」もちょろっとだがゲスト出演している。BGMも名曲が揃っており、おそらく今プレイしても古臭さは感じられないであろう、まさにFCを代表するアドベンチャーと言えよう。

 余談だが、このゲームをプレイすると、無性に北海道へ行きたくなる。ニポポ人形を買い、殺人の舞台となった阿寒湖や屈斜路湖などにも訪れたくなる。その夢はまだ果たされていないが、いつか行ってみたいものである。

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