No.115…"killer7"(2005.6.9/GC/開発:グラスホッパー・マニファクチュア/販売:カプコン)
No.115…"killer7"(2005.6.9/PS2/開発:グラスホッパー・マニファクチュア/販売:カプコン)

 独特のセンスに満ちたゲームを生み出し続けている須田剛一氏率いるゲーム開発会社グラスホッパー・マニファクチュア。そのグラスホッパー・マニファクチュア開発作品の中でも、特に尖ったセンスを持つゲームが、今回紹介する『killer7』である。

 プレイヤーは多層人格の殺し屋「スミス同盟」となり、全11話から成るゲームを進めていく。「スミス同盟」はスミス姓を持つ8種類の「多層人格」によって構成されている殺し屋である。「多層人格」とはいわゆる多重人格とは異なる一種の超能力で、人格交代によってその身体も変身するのが特徴であり、その内訳とそれぞれの持つ武器は以下の通りである。

・ハーマン・スミス……対戦車ライフル「GLIDER」
・ガルシアン・スミス……サイレンサー付き小型拳銃「ELECTROLITE」
・ダン・スミス……リボルバー「HANDSOME DEVIL」
・楓・墨州……スコープ付き自動拳銃「CONNECTION」
・コヨーテ・スミス……改造リボルバー「FREAK SCENE」
・ケヴィン・スミス……ナイフ及びスローイングナイフ「DEBASER」
・コン・スミス……二丁の自動拳銃「DISARM」
・マスク・ド・スミス……二丁のグレネードランチャー「DREAM ALL DAY」

 このうち、最上位の人格であるハーマンには強制イベント時にしか人格交代出来ない。また、ハーマンに次ぐ地位を占めるガルシアンはハーマンとガルシアン以外の下位人格の6名が死亡した際に、その人格を回収することで蘇生させることが出来るものの、下位人格の6名と違って特殊能力がなく、ゲームを進行させるためのアイテム類も使用出来ないため、プレイヤーはハーマンとガルシアン以外の6名の下位人格を状況に応じて切り替えてゲームを進めるシステムとなっている。

 ゲーム本編はガンシューティングで、クセは多少あるものの、難易度自体はそう難しいものではない。それ以上にプレイヤーを引き付けるのはこのゲームだけで味わえると言ってもいい唯一無二の世界観であろう。独特の書体でつづられるメッセージや、スタイリッシュという言葉にすら収まりきらない尖りまくった世界観に、プレイヤーは時には迷い、困惑を覚えつつも、ゲームを進めていくうちにいつの間にか、この『killer7』の世界に魅了されていることだろう。

 ゲームキューブでただ一つの「CERO:Z」指定を受けたゲームであり、あるニュース記事の言葉を借りれば「須田剛一の塊」という言葉があまりにもしっくりとくるゲーム。須田氏の作るクセが強くも麻薬的な魅力を持つゲームに惹かれる方ならきっと全編を楽しめるだろう。なお、GC版とPS2版とが同時発売されているが、PS2版は任天堂よりも厳しいソニーの規制のために修正を余儀なくされたシーンも多いので、これからプレイするならばGC版、もしくはGC版がそっくりそのまま移植される形で今秋に出る予定のSteam版を是非オススメする。

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