No.114…"探偵 神宮寺三郎 亡き子の肖像"(2010.2.17/DSiウェア/開発:ワークジャム/販売:アークシステムワークス)
No.114…"探偵 神宮寺三郎 赤い蝶"……「亡き子の肖像」(2010.9.30/DS/開発:ワークジャム/販売:アークシステムワークス)

 ファミコン時代から続く数少ない長寿アドベンチャーシリーズである神宮寺三郎シリーズ。今回紹介するのはまず携帯アプリとして、そしてその後に5作出たニンテンドーDSiウェアの神宮寺三郎シリーズとして最後の5番目に登場した作品である。

 特に依頼もないある日。昼食を終えて事務所に戻ってきた神宮寺を事務所の前で待っていたのは、まだ幼い少年であった。高坂葵と名乗るその少年は神宮寺に対し、「僕……死んじゃったみたいなんですけど……」と、にわかには信じ難い衝撃的な言葉を放つ。葵が差し出した手紙には「葵をしばらく預かって欲しい」と書かれており、依頼人が不明という事態ながらも神宮寺は葵を保護する事にする。それは偽装された葵の死をめぐる一連のある事件の幕開けだった。

 事件は葵の偽装された死から始まり、彼の父親の画家・高坂小勇が自殺したという真偽が不確実な報道、関東明治組を悩ませる新興暴力団による抗争、そして葵の出生の秘密をもが絡まってくる。その中でこの作品のテーマとなってくる、葵という一人の少年への確かな父親の愛には心打たれるものがあるだろう。

 DSiウェアというプラットフォームであることからプレイ時間はそれほどではない小粒なボリュームであるが、その質は非常に高く、500円という値段を考えてもお得であり、DSiウェアをダウンロード出来る環境をお持ちならば是非オススメしたい1本である。また、DSiウェアで出た5作品は今作も含めて2010年9月30日に発売されたDSのパッケージソフト『探偵 神宮寺三郎 赤い蝶』の中に新規追加シナリオ『赤い蝶』と共にまとめて収録されている。DSiウェア5本をダウンロードした場合よりも割高にはなるが、こちらを買う選択肢もあるのでご参考にして頂きたい。



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