No.76…"探偵 神宮寺三郎 連鎖する呪い"(2009.12.9/DSiウェア/開発:ワークジャム/販売:アークシステムワークス)
No.76…"探偵 神宮寺三郎 赤い蝶"……「連鎖する呪い」(2010.9.30/DS/開発:ワークジャム/販売:アークシステムワークス)
No.76…"探偵 神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ"……「連鎖する呪い」(2018.8.9(パッケージ版・ダウンロード版)/Nintendo Switch/開発:オレンジ/販売:アークシステムワークス)
No.76…"探偵 神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ"……「連鎖する呪い」(2018.8.9(パッケージ版・ダウンロード版)/PS4/開発:オレンジ/販売:アークシステムワークス)

 ファミコン時代から続く数少ない長寿アドベンチャーシリーズである神宮寺三郎シリーズ。今回紹介するのはまず携帯アプリとして、そしてその後に5作出たニンテンドーDSiウェアの神宮寺三郎シリーズとして4番目に登場した作品である。

 依頼がなく閑散としていた神宮寺探偵事務所に現れた久しぶりの依頼人は西田由美子という女性だった。雑誌編集者である彼女の依頼は、2週間前に自殺した同僚であり恋人であった浅田健太郎についてだった。健太郎は死の寸前に由美子に「俺は呪われているそうだ」という言葉を残していた。由美子は健太郎がなぜそんなことを告げ、そしてなぜ彼が自殺したのかを調べてほしいと神宮寺に依頼する。依頼を受けた神宮寺は健太郎について調べ始めるが、いつしかその謎は20年前に地方の村で起きた火事にまで遡り、「呪い」というキーワードによって繋がった幾人もの人生が絡んでいた……。

 先にも述べたように、DSiウェアでの神宮寺シリーズは5作品出ているが、その中でもこの『連鎖する呪い』のシナリオは特にレベルが高い。それもそのはずで、ファミコン時代の傑作『危険な二人』や『時の過ぎゆくままに』を手がけた野島一成氏が今作のシナリオを担当している。短編ながらも二転三転する展開や魅力的なゲストキャラ達の織り成す物語は野島氏の本領発揮と言えよう。

 DSiウェアというプラットフォームであることからプレイ時間はそれほどではない小粒なボリュームであるが、その質は極めて高く、500ポイント(=500円)という値段を考えてもお得であり、DSiウェアをダウンロード出来る環境をお持ちならば是非オススメしたい1本である。また、DSiウェアで出た5作品は今作も含めてDSのパッケージソフト『探偵 神宮寺三郎 赤い蝶』として新規追加シナリオ『赤い蝶』と共にまとめて収録されたタイトルが2010年9月30日に発売されている。DSiウェア5本をダウンロードした場合よりも割高にはなるが、こちらを買う選択肢もあるのでご参考にして頂きたい。

 また、2018年8月9日にNintendo SwitchとPS4とで同時発売された短編集『探偵 神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ』にも本作のリメイク版が収録されているので、こちらを買う選択肢も増えた。だが、このリメイク版は正直言ってあまり良質なリメイクではないので、出来ればDSもしくは3DS本体でDSiウェア版や『赤い蝶』収録版をプレイしたほうが本作を存分に楽しめるだろう。



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