『斑鳩』―――システム概要





[操作形態]

 『斑鳩』の操作形態は、レバー+3ボタンの組み合わせによる7種の攻撃を複雑に使い分けた前作『レイディアントシルバーガン』とは異なり、レバー+2ボタンというシンプルなものである。しかし、それでいて『レイディアントシルバーガン』同様に、既存のシューティングゲームとは一線を画する斬新なシステムを成している。その他、『レイディアントシルバーガン』との相違点として、今作では自機のパワーアップ要素は存在しない。また、逆に『レイディアントシルバーガン』との類似点としては、アイテム類の出現がないことが挙げられる。

●Aボタン……ショット攻撃。押し方により、2パターンの攻撃を使い分けることが出来る。ボタンを押した直後、または連打した場合はシングルショットが発射される。逆に押しっぱなしにした場合は、ツインショットがフルオートで発射され続ける。

●Bボタン……自機属性の変更。本作の自機「斑鳩」は陽(白)と陰(黒)の2つの属性を持っており、Bボタンを押すことによって、この属性を任意かつ無制限に変更させることが出来る。ただし、属性変更中は一瞬(0.25秒)とはいえ無属性となるため、後述する「属性効果」も発揮されない。

●A+B……「力の解放」と呼ばれる攻撃。画面左下に表示される「力の解放」ゲージが溜まると、使用可能となる。この攻撃は、敵機を追尾するホーミングレーザーであり、地形を貫通する性質をも持っている。レーザーの発射数は「力の解放」ゲージ量に比例する。なお、このゲージは、後述する「敵弾吸収」システムによって溜まっていく。



[属性効果]

 『斑鳩』の世界は、陽(白)と陰(黒)という2つの「属性」に支配されており、それは自機および敵機に様々な「属性効果」をもたらしている。それらは、主に3種類に分けられる。

【敵弾の吸収】
……自機と同属性の敵弾が接触しても、『斑鳩』ではミスとはならない。そればかりか、接触した敵弾を吸収してエネルギーに変換し、「力の解放」ゲージに溜めるシステムとなっている。この時(敵弾を吸収したとき)にも、得点には加算される。自機と逆属性の敵弾および敵機本体(この場合は属性を問わない)に接触した場合のみ、ミスとなる。また、敵機がレーザー系の攻撃を行ってきた場合も、このシステムは適用されるが、レーザーを浴びている間は自機が逆方向へ押されてしまうため、うっかり地形判定などにぶつかってミスとならないよう、気をつけなければいけない。

【ダメージ効率の変化】
……敵機と逆属性で攻撃した場合は「カウンター効果」が発生して攻撃力が2倍となり、同属性で攻撃した場合の半分の撃ち込み量で敵機を破壊することが出来る。この効果は通常攻撃のみならず「力の解放」にも適用されており、ボスクラスの敵機のような大型で耐久力の高いターゲットに対して絶大な威力を発揮することが出来る。ただし、ボスクラスの敵機の中には本体とは逆属性のパーツやビットを装備しているものもあり、それらによる攻撃属性は本体ではなくパーツ及びビットに準ずるため、この点には注意が必要である。

【撃ち返し弾の発生】
……同属性の状態で敵機を破壊した場合、多量の「撃ち返し弾」が発生する。これは通常攻撃だけでなく、「力の解放」で敵機を破壊した際にも同様である。この「撃ち返し弾」も属性を帯びており、その属性は発生源となった敵機の属性に準ずる。よって、同属性で敵機を破壊した直後に自機属性変更を行うことは非常に危険だといえる。逆に言えば、属性変更を行わなければ、この「撃ち返し弾」でミスすることはないし、「力の解放」ゲージを一気に補給する絶好の機会とも言える。



[チェーンコンボ]

 『斑鳩』の得点システムの要ともいえる要素として「チェーンコンボ」が挙げられる。これは、同じ属性の敵機を3機続けて破壊した場合に成立し、ボーナス得点が加算されるシステムである(攻撃する際の自機の属性は問わない)。最初は100点から始まり、連続で成功させることが出来れば最大25600点まで上昇する。また、この「3機続けての破壊を連続させる」という点については、必ずしも敵機の属性は問われない。例えば、白3機→黒3機→白3機……と色違いに破壊していった場合でも、「チェーンコンボ」は継続されるのである。加えて、親切設計として、画面左上に現在は何色の敵機を撃ったかという「チェーン・ステータス」が表示されるため、この要素を活用すれば「チェーンコンボ」を更に組み易くなると考えられる。



[初心者救済システム]

 『斑鳩』には通常のゲームモードの他に、「初心者モード」も搭載されている。これは、なんと「1面は残機無制限」という前代未聞のシステムであり、このモードならば、初心者であっても1クレジットで最低1面だけはクリアすることが出来る。2面をクリアした時点で終了してしまうものの、斬新な攻撃システムを搭載した『斑鳩』というシューティングゲームを初プレイで理解する上では、極めて有用なシステムであると思われる。



[モードセレクト]

 前述の「初心者救済システム」に加えて、コイン投入直後には「EASY」「NORMAL」「HARD」の3段階の難易度までも選べるシステムとなっている。これは「初心者モード」ではない「通常モード」でも同様である。

「EASY」
…属性に関係なく、敵機破壊時の撃ち返し弾が発生しない。また、ボスなどの攻撃パターンも簡単になっている。

「NORMAL」
…同属性の敵機を破壊した場合のみ、撃ち返し弾が発射される。ボス戦などの攻撃パターンは、これが標準となっている。

「HARD」
…属性に関係なく、敵機を破壊すると撃ち返し弾が発生する。ボス戦などでの攻撃は「NORMAL」以上に厳しくなっている。




参考資料:月刊アルカディア2001年10月号特集記事及びファミ通No.679より転載&一部加筆

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