単なるマイナー作品というよりも、「知る人ぞ知る名作」として、そのタイトルを知られている作品である。このゲームが「名作」として知られているのは、このゲームを最後までプレイした人ならば、必ず納得してもらえることだと思う。
舞台は古代ギリシア。主人公が記憶喪失となってしまった状態から物語の幕は開く。その後、主人公が不死の肉体を持っていること、同じように記憶を無くした不死者が他にもいることなどが徐々に分かってくる。主人公はその同じ不死者達とともに、失った自分自身を探し、同時に世界各地で起きている天変地異の謎を探る旅に出る。
ここまで聞くと、大して度肝を抜くような物語には思えない。それに戦闘システムもややだれている感があり、果たしてどこが「名作」なのかと思われてしまいかねない。しかし、後半にそれらの欠点を全て覆してしまう大どんでん返しが待っているのだ。このどんでん返しの内容は、言いたくてもどうしても言えない。知ってしまったら、あの衝撃は決して味わえない。本当は話したくて話したくて仕方がないのだが、それだけは絶対に出来ない。どうか御勘弁願いたい。
肝心のゲーム本体なのだが、今ではもちろん生産されていない。一時期、ニンテンドウパワーに入っていたのだが、残念ながらデータイーストが和議申請を行った頃にラインナップから外されてしまった。幸いにもプレミア価格はついていないようなので、もし中古で見かけて興味を持たれたならば、手にとってプレイしてみてほしい。この作品が「知る人ぞ知る名作」で終わってしまうのは、勿体無さすぎるのだから(補足:現在はWiiの「バーチャルコンソール」でダウンロードすれば今作を気軽に遊ぶことが出来る)。
なお、こんな深刻な物語だというのに、主人公はあるイベントで手に入れる「女装アイテム」を使って「女装」したままでもクリア出来てしまう。この辺りがデータイーストだなあ、としみじみ思ってしまう所以である。
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