No.92…"ファイアーエムブレム 紋章の謎"(1994.1.21/SFC/開発:インテリジェントシステムズ/販売:任天堂)
No.92…"ファイアーエムブレム 紋章の謎"(2006.12.26/Wii VC/販売:任天堂)
No.92…"ファイアーエムブレム 紋章の謎"(2013.4.27/WiiU VC/販売:任天堂)
No.92…"ファイアーエムブレム 紋章の謎"(2016.6.22/New3DS VC/販売:任天堂)
No.92…"ファイアーエムブレム 紋章の謎"(2017.10.5/ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン/販売:任天堂)

 スーパーファミコンで発売された『ファイアーエムブレム』シリーズ第1弾。1990年にファミコンで発売された第1作『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』のリメイクである第1部「暗黒戦争編 暗黒竜と光の剣」と、その後日談である第2部「英雄戦争編 紋章の謎」から成る2部構成作品となっている。両者は第1部から通しプレイしても第2部ではレベルはリセットされた状態で始まるので全く別のゲームと言っていいし、第1部を無視して第2部からもプレイ出来るが、第1部から通しプレイをして条件を満たすと第2部終盤で真のエンディングに至るルートが現れ、プレイすることが出来るようになっているため、第1部からプレイを開始するのが推奨されるプレイスタイルだろう。

 第1部「暗黒竜と光の剣」はファミコン版がWii、3DS、WiiUのVCで出ているが、難易度が非常に高いため、今からプレイする方にはこの『紋章の謎』に収録されているリメイク版からのプレイをオススメする。最初はダイジェスト版としてリメイクされる予定だったが、削りすぎては話が分からなくなったため、ゲーム全編を全面的にリメイクして第1部として収録される形となった。もっとも、容量の都合で全25面から全20面にカットされているし、僧侶リフやシューターのジェイクといったキャラは存在そのものが抹消されているので、そこまでこだわる方はファミコン版をプレイする選択肢もあるだろう。

 第2部「紋章の謎」は第1部の後日談で、第1部をクリアしたプレイヤーを前提に作られているためか、最初から難易度がかなり高く設定されている。また、これは第1部にも共通していることなのだが、ナイト系の騎乗ユニットは馬やペガサスや飛竜などから自由に降りられるようになっており、屋内戦では強制的に降りた状態で戦うことになっている。そのため、ナイト系の利点だった移動力が屋内戦では無くなるため、ナイト系は屋内戦で不利になってしまっているが、このことは開発スタッフも後に攻略本のインタビューで反省している。

 物語的にも、アカネイア大陸を舞台に、第1部は主人公の英雄アンリの子孫であるアリティア王国王子マルスが宗主国アカネイア聖王国の王女ニーナを旗頭として暗黒竜メディウスや闇の司祭ガーネフ率いるドルーア帝国と戦うというシンプルなストーリーだが、第2部ではマルスは神聖アカネイア帝国の皇帝となったかつての戦友ハーディンと敵対することになり、メディウスが暗黒竜となった経緯やアカネイア初代王の隠されてきた謎といった要素が明かされ、単純な勧善懲悪の物語ではなくなっている。また、第1部では親アカネイア国家の面々と共に戦ったマルスが、第2部では自ら反アカネイア派となって闇に堕ちた暗黒皇帝ハーディンと戦うという逆転した要素も見ものだろう。

 気楽な気持ちで挑むとあっという間に全滅もめずらしくない一筋縄ではいかない難易度の手強いシミュレーションゲームだが、ユニットを育て、戦略を考える楽しさはシリーズ随一と言えるだろうし、ストーリーやキャラの魅力も含めて、個人的には『ファイアーエムブレム』シリーズ最高傑作であると思っている今作。是非、今もなお薄れない魅力を持つ名作S・RPGを体験してほしいものである。



OFFICIAL SITE

OFFICIAL SITE(Wii VC版)

OFFICIAL SITE(WiiU VC版)

OFFICIAL SITE(New3DS VC版)

CONTENTS

inserted by FC2 system