No.13…"ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(1989.5.23&6.30/FCディスクシステム/開発・販売:任天堂)
No.13…"ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(1998.4.1/SFC(ニンテンドウパワー)/開発・販売:任天堂)
No.13…"ファミコンミニ28 ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(2004.8.10/GBA(ディスクシステム版)/販売:任天堂)
No.13…"ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(2008.4.30/Wii VC(ニンテンドウパワー版)/販売:任天堂)
No.13…"ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(2009.12.22/Wii VC(ディスクシステム版)/販売:任天堂)
No.13…"ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(2013.5.1/3DS VC(ディスクシステム版)/販売:任天堂)
No.13…"ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(2013.7.31/WiiU VC(ニンテンドウパワー版)/販売:任天堂)
No.13…"ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女"(2017.8.23/New3DS VC(ニンテンドウパワー版)/販売:任天堂)

 『ファミコン探偵倶楽部』シリーズの第二弾である。今回は第1作よりも以前、主人公が空木探偵事務所に住み込みで働くようになった頃であり、後に探偵事務所の同僚となる少女・あゆみが主人公と出会うきっかけとなった事件である。

 『消えた後継者』も閉ざされた部落の旧家にまつわる怨念めいた部分があったが、今回は更にホラー色が増しており、純粋なミステリとは言いがたいかもしれない。しかし、その完成度は『消えた後継者』に勝るとも劣らない内容である。ミステリ好きの方はもちろん、ホラー好きの方でも楽しめるのではないかと思う。特にニンテンドウパワー版はクライマックスの「恐怖」ではディスク版には負けるものの、その後の展開でか細く聞こえるある「声」の恐ろしさはニンテンドウパワー版のほうが明瞭に聞こえて、まさしくホラー的な展開となっている。

 だが、最後までプレイされた方ならお分かり頂けると思うが、ラスト、ある人物が持っている万年筆に隠された謎の真相には、非常に切ないものがある。自らの出生も知らない主人公と同様、「ある人物」の悲しき行く末には泣きかけてしまうほどだった。

 このゲームは元々ディスクシステムで前後編に分かれて発売されたものだが、ディスクシステムの末期に発売されたこともあって、『消えた後継者』には知名度で劣ってしまう部分がある。しかも、『消えた後継者』のレビューでも触れたが、ディスクシステム版はディスクを持っていないと書き換えも出来なくなってしまっているし、リメイク作であるニンテンドウパワー版も、6月いっぱいでROMカセット発売中止、そして9月いっぱいでニンテンドウパワーは終了してしまった。このままディスクシステム版と同じように不遇の作品となってしまうのはあまりにも勿体無い。オリジナル・リメイク共に名作であるため、それが余計に惜しいのである。

(追記)
 ディスク版『うしろに立つ少女』は、その後の2004年、「ファミコンミニ」として復刻された。任天堂の選択には拍手喝采である。なおニンテンドウパワー版は、書き換え用ROMカセットを任天堂本社に送れば、書き換えてもらえる。素晴らしいリメイクなので、一人でも多くの方にプレイしてもらいたいものだが、前述した通り、ROMカセットは既に発売中止している。しかし、現在ではバーチャルコンソールでディスク版・リメイク版ともに気軽にダウンロード出来る環境になったので、興味を持たれた方には是非ともプレイしてもらいたい作品である。

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