No.3…"CLOCK TOWER"(1995.9.14/SFC/開発・販売:ヒューマン)
No.3…"CLOCK TOWER 〜The First Fear〜"(1997.7.17/PS/開発・販売:ヒューマン)
No.3…"CLOCK TOWER"(1997.9.30/SFC(ニンテンドウパワー)/販売:ヒューマン)
No.3…"CLOCK TOWER for WonderSwan"(1999.12.9/WS/開発:ヒューマン/販売:ナグザット)
No.3…"CLOCK TOWER"(2010.8.3/Wii VC/販売:サンソフト)
No.3…"CLOCK TOWER 〜The First Fear〜"(2011.11.9/PS ゲームアーカイブス/販売:サン電子(株))
No.3…"CLOCK TOWER"(2013.11.6/WiiU VC/販売:サンソフト)

 今までプレイしてきた中で最も怖かったゲームは?と聞かれたら、私ならまず真っ先に挙げるだろうゲームである。内容はと言うと、謎めいた洋館に閉じ込められた少女・ジェニファーが屋敷の謎をあばいたり、時には殺されかけながら、洋館からの脱出を図るというアドベンチャーゲームである。

 「殺されかける」……そう、プレイヤーの分身たるジェニファーは決して軍人のように訓練など受けていない。『バイオハザード』のように武器を持って戦うことも出来ない。走り続けただけで息が切れ、体力を消耗してしまうほどか弱い少女なのだ。しかも、洋館内では「シザーマン」という化け物めいた者が終始、ジェニファーを襲ってくる。このか弱いジェニファーがそんな化け物とどう戦うのか、それはまさしく知恵をふり絞っての戦いとなる。洋館の各部屋の中には色々な物が置いてあり、それらを上手く駆使してシザーマンをやり過ごすのである。例を挙げれば、書庫でシザーマンに襲われた場合、幾つもある本棚にジェニファーを注目させれば、本棚を倒してシザーマンを気絶させることが出来る。また、何もない廊下などのような、どうやってもシザーマンを撃退する方法が見つからなかったりする場合は、ジェニファーは力を振り絞って(プレイヤーはボタン連打して)シザーマンを転倒させ、その場から逃げることも出来る(ただし、ジェニファーの体力が消耗している場合は、逆にシザーマンに殺されてしまう)……いずれにしろ、ジェニファーは最後の最後まで逃げ続けなければならない。この「人気のない屋敷の中を探索すること」や「常に殺人鬼が襲ってくる危険性があること」が、プレイ中にずっと、プレイヤーに恐怖を味あわせているのである。それもじわじわと。

 余談だが、主人公の「ジェニファー」という名前と容姿は女優ジェニファー・コネリーから取られたもので、今作品自体もジェニファー・コネリーが主演したダリオ・アルジェント監督作品『フェノミナ』へのオマージュだと考えて間違いない。それほど両作品には共通点が存在するのである。

 なお、この『クロックタワー』は、続編『2』とSFC版のリメイク版、それに『ゴーストヘッド』とシリーズ化されている(いずれもハードはPS)。『ゴーストヘッド』は未プレイなので知らないが、『2』では『1』の恐怖は薄れてしまっているように思えてならない。そもそも『2』では、下手な人形劇のようなポリゴンまで使用してしまったりしている。よせばよかったのに。



株式会社ヌードメーカー
(作品解説ページにて、監督・ゲームデザインを務めた河野一二三氏のコメントやSFC版開発当時の裏話が掲載されています)

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